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成田早朝の乗客18人 搭乗ルポ「1日でLCC3社に乗ってみた」前編

 ANAホールディングス(9202)とエアアジアがエアアジア・ジャパン(WAJ)の合弁解消に向けて交渉を行っている。今後ANAはWAJを100%子会社化することも視野に検討を進めている模様だ。

 合弁解消のもっとも大きな要因は、WAJのロードファクター(座席利用率、L/F)の低迷と言われる。就航した昨年8月が84.4%、9月が68.3%、10月が56.9%、11月が55.9%、12月が52%。直近の4月も56.4%と、おおむね50%台で推移している。

早朝に成田から福岡へ向かうエアアジア・ジャパンのJW8541便=5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
低迷するロードファクター
高速バスで成田へ
早朝の福岡便は乗客18人
手続きの簡単さと成田へのアクセス改善

低迷するロードファクター

航空各社が発表したゴールデンウィークの利用実績(各社の発表資料からAviation Wire作成)

 低コスト航空会社(LCC)が安い運賃を実現している理由の多くは、80%以上のL/Fと機内販売など物販、機体を高稼働率で飛ばす、着陸料など空港の施設利用料を抑えることなどだ。このうち、機体の稼働率は空港側の運用時間に左右され、着陸料や施設利用料も空港会社など航空会社以外の意思決定に影響される。

 国内でLCCを成功させるためには、航空会社側が自助努力で実現できる高いL/Fの維持と、物販が重要。WAJの場合、ウェブサイトの予約システムが競合2社と比べて操作性が劣ることが、販売の伸び悩みにつながったようだ。また、旅行代理店経由の販売など、販路拡大で出遅れたことも響いた。

 ゴールデンウィーク期間中の利用実績を見ても、ピーチ・アビエーション(APJ)のL/Fは国際線84.1%、国内線91.3%と、日本航空(JAL、9201)やANAよりも高い数字を示した(関連記事 [1])。

 成田で競合するジェットスター・ジャパン(JJP)も78.8%と、1000件規模の超過請求が昨年7月の就航以来2度起きているものの、そうした影響は数字に表れていない。

 一方、WAJは国際線61.2%、国内線67.6%と、国内のLCC 3社でもっとも低い値だった。

高速バスで成田へ

東京駅八重洲口の東京シャトル乗り場=5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ゴールデンウィークの利用実績を見て、