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成田空港、PCRセンター開設 証明書を当日発行

 成田空港に11月2日、出国前に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陰性・陽性を判定する日本医科大学のPCRセンターが開設された。当初は証明書の受領までに最長6時間かかるが、センター内のPCR検査施設が稼働する11月末からは、最短2時間で受領できる。国内空港でPCR検査施設を併設するのは初めてで、24時間運用する。

成田空港第2ターミナルに開設されたPCRセンターで検体採取をデモンストレーションする看護師(右)ら=20年11月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 PCRセンターは、第1と第2各ターミナルに1カ所ずつ設置。受付と問診スペース、検体採取スペース、PCR検査室、待合スペースを備える。受付から証明書発行までは最短2時間で対応する。事前予約なしもで受け付け、急な出張などのニーズにも応じる。出国者以外で感染を確かめたい利用者も検査を受けられる。運営は、日本医大が受付から陰性証明書の発行までを一貫して担う。

 11月末までは、センター内に設置したPCR検査室の配管などの作業があるため、検体を採取後は外部で検査を実施。受付から証明書発行まで最長6時間で提供する。10月の発表当初は最短6時間だったが、検査の委託先を変更して時間を短縮した。PCR検査施設には、東洋紡(3101)の検査機器「GENECUBE(ジーンキューブ)」を2台導入し、1台あたり8人分の検査を最短35分で終えられるようにする。また、96人分を約1時間で検査できる同社の別の検査機器も今後導入する。

成田空港第2ターミナルに開設されたPCRセンターで検査キットを手にする看護師=20年11月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 第1は中央ビル3階、第2は1階の北側待合室(旧LCCバス待合室)を転用して開設。24時間年中無休で運用するが、受付は午前9時から午後5時まで。証明書発行は午前9時から午後9時までを除き、時間外料金が発生する。

 検査と証明書の発行料金は、事前予約がある場合は3万9800円、予約なしと時間外はそれぞれ4万6500円。証明書発行のみも対応し、日本医大の付属医療機関以外では5500円、時間外の場合は9000円かかる。同大学の付属医療機関では無料で発行する。初日の2日は、11人が予約しているという。

 成田空港の利用者は、新型コロナ前は1日に約4万人いたが、現在は国際線の運休により約1500人にとどまっている。空港を運営する成田国際空港会社(NAA)では、検査施設を整備することで、今後国際線の運航再開が本格化した際の利用促進につなげる。

*写真は12枚。

成田空港第2ターミナルに開設されたPCRセンター=20年11月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire