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三菱スペースジェット、開発を事実上凍結へ 需要蒸発と完成度不足

 三菱重工業(7011)が、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を事実上凍結する方向で調整していると、共同通信が10月22日に報じた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、需要回復が当面見込めないため。一方、Aviation Wireの取材では、設計変更を反映した最新の飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)の完成度が低いことがわかった。

【お詫びと訂正】
記事初出時に「飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)の完成度が低く、米国へ持ち込むレベルに達していない」としていましたが、三菱航空機からの指摘に基づき改めて確認したところ、「米国へ持ち込むレベルに達していない」とする部分は記述を削除致します。関係者並びに読者の皆様にお詫びするとともに訂正します。(20年10月27日 09:15 JST)

*開発を「一旦立ち止まる」と凍結発表。記事はこちら [1]

県営名古屋空港を離陸し初飛行する三菱スペースジェットの飛行試験10号機JA26MJ=20年3月18日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 スペースジェットは、6度目の延期により2021年度以降の納入開始を予定していた。報道によると、顧客である航空会社の需要回復が当面見込めないことが、開発を事実上凍結を判断する要因。今後は航空需要の動向を見ながら、事業を再開させるかを検討するとしている。

 一方、関係者はAviation Wireの取材に対し、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」取得時に使う飛行試験機である10号機の完成度が