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「国内線回復は2021年」特集・赤坂社長に聞くJALと新型コロナ(前編)

 本来であれば東京オリンピック・パラリンピックの開催で沸き立っていたはずの2020年。しかし、主役の座は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に取って代わられ、航空業界は稼ぎ頭である国際線需要が蒸発した。日本航空(JAL/JL、9201)も例外ではなく、2020年4-6月期(21年3月期第1四半期)連結決算(国際会計基準)の最終損益が937億700万円の赤字(前年同期は129億5800万円の黒字)と大幅赤字を記録した。

Aviation Wireの単独インタビューに応じるJALの赤坂社長=20年9月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 JALをはじめ各国の航空会社などが加盟するIATA(国際航空運送協会)は世界の国際線需要が回復するのは2024年以降との見通しを示しており、国内線は先行して回復する見込みだが、日本国内の感染者数も一進一退を繰り返しており、各航空会社では需要予測に腐心している。

 海外の航空会社では社員の大量解雇や国際線の路線撤退などが発表されているが、JALは客室乗務員の一時帰休などを実施せず、乗務のない日は教育や訓練に充ててきた。赤坂祐二社長に、機材や路線、人員、資金の計画、新型コロナ後のJALの姿を聞いた。

 前編では路線や資金繰り、機材について、後編は人材や将来像、100%子会社で中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)との住み分けに迫る。

—記事の概要—
2021年回復見込む国内線
三菱スペースジェット「待つしかない」
*後編はこちら [1]

2021年回復見込む国内線

── IATAが2024年の需要回復を示す中、JALは需要をどのように見ているのか。

JALの赤坂社長=20年9月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

赤坂社長:本当に悩ましい状況だ。国内線は4連休は良かったが一進一退で、これからもこの状態が続くと考えた方がいい。しかし、国際線に比べれば回復は早く、来年いっぱいで戻るだろう。

 しかし国際線は読めない。IATAの想定と同じだが、もっと悪い想定もしている。日本はオリンピック・パラリンピックが開かれる予定なので、(訪日外国人の入国扱いは)オリンピックだけスペシャルなルールもあり得るだろう。

── 資金調達の見通しは。

赤坂社長:6月の株主総会で