- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

日航機事故35年追悼式、新型コロナで縮小 赤坂社長「安全のコスト削減あり得ない」

 日本航空123便墜落事故で乗客乗員520人が亡くなり、35年が経った8月12日夜、墜落現場となった群馬県多野郡上野村の追悼施設「慰霊の園」で、35周年追悼慰霊式が開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため遺族の参列が見送られ、規模を縮小して行われた。

慰霊の園で遺族に代わり犠牲者数と同じ520本のろうそくをともす上野村役場の職員ら=20年8月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

慰霊の園で遺族に代わり犠牲者数と同じ520本のろうそくをともす上野村役場の職員ら=20年8月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国土交通大臣として10年ぶりに参列した赤羽一嘉国交相や日本航空(JAL/JL、9201)の赤坂祐二社長ら関係者が献花後、慰霊の園には犠牲者の数と同じ520本のろうそくに火がともされた。羽田発伊丹行きJL123便(ボーイング747SR-100型機、登録記号JA8119)が墜落した午後6時56分を迎えると、参列者が黙祷(もくとう)をささげた。

 例年は遺族がろうそくに火をともしているが、今年は上野村役場の職員らの手で行われ、式の模様は遺族向けにライブ中継された。

 慰霊の園は村民有志が土地を提供し、村やJALによる公益財団法人・慰霊の園が1986年8月1日に開設した慰霊施設。持ち主がわからない遺品や事故記録などが展示されている展示棟は、1987年に完成した。

 35年が過ぎてJALでも9割以上の社員が事故後の入社となり、村でも代替わりが進んで事故の風化が懸念される中、追悼慰霊式で慰霊の園理事長の黒澤八郎・上野村村長は、「今後も式典を続けていく」と誓った。

 12日は墜落現場の御巣鷹山を遺族や関係者らが慰霊登山に訪れ、救出活動時にヘリポートが造成された尾根にある「昇魂之碑」を参拝し、「鎮魂の鐘」を鳴らしていた。午後4時の時点で、昨年より30家族135人少なく、約半数となる50家族141人が御巣鷹山を訪れた。過去最多は、30年目を迎えた2015年の106家族406人、2番目は20年目の2005年の103家族405人だった。

 赤羽国交相は