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片野坂社長「需要回復厳しい」ANAHD株主総会、新型コロナ対策で時間短縮

 全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は6月29日、都内のグランドプリンスホテル新高輪で第75回株主総会を開催した。取締役10人と監査役2人の選任の2議案をともに可決して閉会した。来場した株主数は、2004年開催の第59回からの中でもっとも少ない585人で、所要時間も最短の1時間21分となり、退場者はゼロだった。

来場した株主が過去16年間でもっとも少なかったANAホールディングスの株主総会=20年6月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要–
資金「当面問題ない」
国際線旅客1日1000人未満

資金「当面問題ない」

 マスク姿で総会の議長を務めた片野坂真哉社長は、中国から拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について、「3月の旅客数は国際線が前年より72%、国内線が59%減少した。コロナが業績に与える影響は甚大であり、収束時期を見通せない状況。未曾有の厳しい経営環境だ」と説明。「手元のキャッシュ確保が喫緊の課題であり、当期配当は見送らせていただいた」と、年間配当が無配になったことを陳謝した。

羽田空港に並ぶANAの旅客機=20年4月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 政府による緊急事態宣言後、4月から5月の旅客数が前年比で9割以上減少した一方で、救援物資や医療品の貨物輸送が増えたことに触れた。社員の一時帰休は