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737MAX、生産再開 5カ月ぶり

 ボーイングは現地時間5月27日、737 MAXの生産を米ワシントン州シアトル近郊にあるレントン工場で再開したと発表した。1月に一時的に生産を停止して以来、およそ5カ月ぶりの生産再開となる。

生産を再開した737 MAX=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXは2件の墜落事故が起きたことで、FAA(米国連邦航空局)など各国の航空当局による安全性認証がずれ込んだ。これにより、1月から生産を中止。また、中国から拡散した新型コロナウイルスも影響し、レントン工場のほか、787や777Xなどを製造するエバレット工場などを3月25日から操業停止とした。いずれも4月20日から段階的に再開している。

 737の発展型となる737 MAXは、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用する。

 標準型は737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737 MAX 8(1クラス189席)で、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継機737 MAX 7(同172席)、従来型では胴体がもっとも長かった737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)があり、2019年11月には胴体長が最長となる737 MAX 10(同230席)がロールアウトした。

 事故はこれまでに2件発生している。2018年10月に、インドネシアのライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)が、2019年3月には、エチオピア航空(ETH/ET)のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)が、それぞれ墜落。いずれも737 MAXで新たに採用した失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」が要因となり、システムの改修を進めている。

 ボーイングの受注リストによると、4月末現在の受注は4633機、引き渡しは387機。墜落事故が発生した2019年3月10日以降は、翌11日に米航空機リース会社アビエーション・キャピタル・グループ(ACG)へ引き渡した1機以降、納入なしの状態が続いている。

関連リンク
Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]

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