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三菱重工、スペースジェット大幅見直し 人員削減や量産停止、海外拠点再考も

 三菱重工業(7011)は、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を進める子会社の三菱航空機の人員を削減する方針を固めた。5月22日にNHKが報じたもの。Aviation Wireの取材によると、人員半減や量産機の製造中断に加え、米国の開発拠点閉鎖も含めて検討しており、将来的な開発中止も視野に含めた大幅な見直しを進めている。

 県営名古屋空港内に本社を置く三菱航空機の社員数は、開発やマーケティングなど約1500人。半数の社員を三菱重工の他部署へ移すことを前提に、組織再編を進めるとみられる。米ワシントン州にある米国の飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」も見直しの例外ではなく、閉鎖の可能性も含めて検討していくもようだ。

*開発を事実上凍結へ。記事はこちら [1]

MFCの格納庫からプッシュバックされる三菱スペースジェット。大幅見直しでこの後どうなるのだろうか=19年12月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

—記事の概要—
10号機の完成度
量産も課題

10号機の完成度

 2008年にMRJとして開発がスタートしたスペースジェットは、2019年6月に名称を改めた。MRJ時代は、メーカー標準座席数が88席の標準型「MRJ90」と、76席の短胴型「MRJ70」の2機種の開発を計画していた。改称後はMRJ90を「SpaceJet M90」に改め、リージョナルジェット機の最大市場である北米のニーズに最適化した70席クラス機「SpaceJet M100」を、現在開発中のM90を基に開発し、2023年に投入する計画だった。

県営名古屋空港を離陸し初飛行する三菱スペースジェットの飛行試験10号機JA26MJ=20年3月18日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 三菱重工は11日に、スペースジェットの開発費を今年度は前年度の半分にあたる600億円程度に圧縮する方針を示した。北米向けのM100は、開発着手に向けた