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ANA、整備士の安全教育にVR導入 危険予知力高め労災ゼロに

 全日本空輸(ANA/NH)は、整備士向け安全体感教育にVR(仮想現実)技術を活用した訓練「ANA VR Safety Training System(ANA VRセーフティ・トレーニング・システム)」を導入した。労働災害ゼロを目指す取り組みの一環で、整備作業中に起こりうる危険を疑似体験することにより、危険に対する予知力を養う。

整備士向け安全体感教育にVRを活用した訓練を導入したANA(同社資料から)

 安全体感教育は、作業に潜む危険を疑似体験することにより危険予知力を高め、危険に対する感覚を定着させることを目的として、ANAグループでは2012年から実施。高所からの墜落衝撃体感や整備作業でのゴーグルの重要性体感などの科目があり、VRシステムでは過去の労災事例に基づいた格納庫内の整備作業を体験できる。

 VRシステムの中に受講者が入り込み、ナレーションの説明に従って安全の基本動作をこなしながら危険予知を実施。危険を見逃して次の動作に移ったり、安全の動作手順を間違えた場合には、VRの中で受講者本人が転倒や転落を体感する。この段階でナレーションによる動作の振り返りがあり、受講者がなぜ転倒や転落に至ったかが説明される。

 疑似体験を通じて整備士は危険なポイントを把握し、実作業で危険を予知することで、転倒や転落などから身を守る。

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全日本空輸 [1]

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