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19年度上期、航空事故1件と重大インシデント4件 国交省

 国土交通省航空局(JCAB)が発表した、2019年度上半期の航空事故や重大インシデントの発生状況をまとめた「航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告」によると、航空事故は1件、航空事故につながりかねない重大インシデントは4件、安全上のトラブルは549件だった。

—記事の概要—
航空事故
重大インシデント
安全上のトラブル
事業者別報告件数
機種別報告件数

航空事故

北京上空で乗客乗員4人がけがをしたANA(写真は同型機)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 航空事故は8月15日に北京で発生。全日本空輸(ANA/NH)の羽田発北京行きNH963便(ボーイング787-8型機、登録記号JA808A)が北京首都国際空港の北東約140キロ付近の上空5500メートル(約1万8000フィート)を飛行中に機体が急に揺れた。

 同便には乗客214人(幼児1人含む)と乗員11人(パイロット2人、客室乗務員9人)が搭乗。このうち乗客2人が骨折、客室乗務員2人が軽傷を負った。

重大インシデント

 重大インシデントは、4月に山形空港、6月に三陸沖と羽田空港、7月に那覇空港でそれぞれ発生した。

山形空港で滑走路を逸脱したFDAのE175(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 山形空港での重大インシデントは、4月23日に発生。フジドリームエアラインズ(FDA/JH)の山形発県営名古屋空港(小牧)行きJH386便(エンブラエル175型機、JA11FJ)が、山形空港を離陸滑走中に滑走路を外れ脱輪した。乗客60人(うち幼児0人)、乗員4人(パイロット2人、客室乗務員2人)の計64人が搭乗していたが、乗客乗員にけがはなかった。当該機は同滑走路東側の緑地帯に停止。この影響で滑走路が閉鎖され、後続の5便が欠航した。

 三陸沖の重大インシデントは、6月1日に発生。ANAのサンノゼ発成田行きNH171便(787-8、JA828A)が三陸沖を飛行中、2系統ある空調・与圧システムに不具合が発生し、同時に停止するトラブルがあった。乗客と乗員にけがはなかった。

 羽田空港の重大インシデントは、6月15日に発生。スカイマーク(SKY/BC)の神戸発羽田行きBC110便(737-800、JA73AB)が羽田のA滑走路に進入中、ANAのバンクーバー発羽田行きNH115便(787-9、JA885A)がA滑走路を横断した。両機とも管制官から許可を受けていた。スカイマーク機は、ANA機が滑走路を横断後に着陸した。

 那覇空港での重大インシデントは、7月21日に発生。韓国のアシアナ航空(AAR/OZ)の那覇発ソウル(仁川)行きOZ171便(エアバスA321型機、HL8256)が管制官の指示に従わず、滑走路に進入した。アシアナ機の侵入時、日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の久米島発那覇行きNU212便(737-800、JA01RK)が着陸体勢に入っていたが、着陸をやり直した。

安全上のトラブル

 549件報告があった「安全上のトラブル」は、「ヒューマンファクター」が