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国交省、パイロット飲酒対策強化 乗務8時間前でも過度な飲酒禁止

 国土交通省航空局(JCAB)は10月8日、パイロットの飲酒問題対策を強化した。航空会社による乗務前アルコール検査実施など、今年4月から対策を講じたものの、問題がその後も複数発生したことによるもので、航空会社に対して飲酒基準の強化などを文書で求めた。

国交省がパイロットの飲酒対策を強化=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 飲酒基準の強化は、現行の基準「運航規程審査要領細則」で飲酒を禁止している飛行勤務の開始前8時間より以前であっても、業務に支障を及ぼす可能性のある過度な飲酒を禁止。目安となるアルコール分解速度を、同基準に追加する改正を実施するため、8日よりパブリックコメントを始めた。

 改正案では、アルコール分解能力を1時間あたり4グラムとして算出したアルコールを目安とし、許容される飲酒量を設定する。

 航空会社に対する対策強化の指示として、3項目を提示。禁酒時間外における過度な飲酒の防止、出勤前に自身の体内アルコール濃度を定量的に確認するなどの自己管理を促す体制の構築、すべてのパイロットの飲酒傾向を把握した上で、常習的な飲酒傾向のある人に対して、乗務させずにカウンセリングを実施するなどの措置の実施で、再発防止の徹底を強く求めた。

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