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アメリカン航空、MD-80全機退役 ニューメキシコで余生

 アメリカン航空(AAL/AA)のマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-80シリーズが、現地時間9月4日にすべて退役した。機体を米ニューメキシコ州ロズウェルに回航(フェリー)し、訓練などに活用する。

全退役したアメリカン航空のMD-80シリーズ(同社提供)

—記事の概要—
最大362機
米6都市に就航

最大362機

 全長や航続距離の違いにより、MD-81型機と-82、-83、-87、-88の5機種で構成するMD-80シリーズは「スーパー80」という愛称で呼ばれていた。ボーイングの受注リストによると、引き渡しを開始した1980年9月から最終機の納入となった1999年12月までの19年3カ月で、計1191機を引き渡した。

 アメリカン航空はMD-82と-83の2機種を計260機導入し、初号機となるMD-82を1983年5月4日に、260機目となったMD-83は1992年9月8日に、それぞれ受領した。

 2001年には、経営が悪化した旧トランス・ワールド航空(TWA/TW)を吸収。TWAもMD-80シリーズを運航し、両社の機材を合わせると、2002年から2003年にかけて362機を保有していた。

米6都市に就航

 アメリカン航空はMD-80シリーズを米国内線に投入し、ダラスとデトロイト、ニューヨーク、メンフィス、ナッシュビル、オンタリオの6都市に乗り入れていた。初の商業飛行は1983年5月15日で、ニューヨーク-ナッシュビル線で運航を開始した。

 最後の商業飛行となったのは9月4日のダラス発シカゴ行きAA80便で、MD-83(登録記号N984TW)で運航。シカゴからはロズウェル行きAA9605便としてフェリーした。

 退役直前の座席数は2クラス140席で、ファーストが16席、エコノミー「メインキャビン」が124席。メインキャビンのうち30席は、シートピッチが広い「メインキャビンエクストラ」としていた。

 4日の運航を最後に、残り26機となっていたMD-80シリーズはすべて退役した。今後はロズウェルでデアイシング(除雪・除氷)の訓練への活用や、航空関連施設への寄贈などで余生を過ごす。

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