Aviation Wire » JTAとRAC、世界自然遺産登録に向け特別デザイン機お披露目

　日本航空（JAL/JL、9201）グループで沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空（JTA/NU）と琉球エアーコミューター（RAC）は8月31日、特別デザイン機「世界自然遺産号」を那覇空港で公開した。沖縄県の世界自然遺産普及啓発事業の一環として開かれた小中学生対象の図画コンクールで、最優秀賞に選ばれた作品が採用された。

那覇空港の格納庫でお披露目されるJTAの世界自然遺産号＝19年8月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　沖縄県は、2020年夏の世界自然遺産登録を目指している。鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄島北部と西表島の4地域を推薦候補地としており、登録されると日本では5カ所目の世界自然遺産になる。図画コンクールは、沖縄県内推薦地域である国頭村と大宜味村、東村、竹富町の小中学生を対象に開かれた。

　JTAとRACの世界自然遺産号は、8月31日から2020年2月まで運航予定。JTAはボーイング737-800型機（登録記号JA11RK）の機体後方の左右、RACはボンバルディアDHC-8-Q400CC型機（JA83RC）の前方ドア横にデカールを貼る。

　31日は、那覇空港内にあるのJTAの格納庫で沖縄県主催の表彰式と世界自然遺産号の除幕式が開かれ、国頭村立奥間小学校6年の知念芽生さんと竹富町立上原小学校6年の池村愛音さんに、富川盛武副知事から賞状が贈られた。JTA機では機体左側に池村さんの、右側に知念さんのデザインが採用されたほか、日本郵便の郵便車両などにもイラストが描かれる。

　世界自然遺産はユネスコ世界遺産センターが事務局を務め、環境省は「人類共通のかけがえのない財産として、将来の世代に引き継いでいくべき宝物」と位置づけている。日本では、1993年に屋久島（鹿児島県）と白神山地（青森県・秋田県）、2005年に知床（北海道）、2011年に小笠原諸島（東京都）の4カ所が登録されている。

　JTAによると、沖縄では観光客の急増に伴い、自然破壊につながる開発が進んでいることから、世界自然遺産登録により、こうした乱開発の抑止を強化する狙いもあるという。