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「1年目は砂漠に置いていました」特集・MD-90 JALパイロットと整備士が振り返る最後のダグラス機(後編)

 3月30日で17年間の運航に幕を閉じる日本航空(JAL、9201)の旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機。パイロットと整備士による座談会形式の本特集前編 [1]では、地上高の低さを生かした東日本大震災直後の被災地での活躍や後部ドアにまつわる裏話などを伺った。

 後編ではリアエンジンや工夫された箇所、普段はお目にかかれない場所など、機体を前にMD-90の特徴を語っていただく。

お話を伺った(左から)畑中さんと宮﨑さん、田倉さん=13年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

最初は電気系統でトラブル

 17年前に導入したMD-90も、当然ながら就航当時は最新鋭機だった。「今は不具合が出尽くした感がありますね。この7、8年で欠航したことも、(出発地へ)リターンしたことも、一度もないです」と話すMD90運航乗員部の宮﨑利夫機長。しかし、就航当時は他の機体同様に不具合に悩まされた。

電気系統の初期トラブル以外は安定していたMD-90=13年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 宮﨑さんが「電気系でバタバタしてましたよね」というと、「初期はねぇ、発電システムが壊れて飛べないことが非常に多かったです」と話すのはJALエンジニアリング(JALEC)羽田航空機整備センターの田倉正尚マネジャー。この発電システムはMD-90独特のものだったという。

 「MD-90は補機を小さくするために、