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なぜA220は中部でデモフライトを実施したのか 特集・日本の100-150席市場を考える

 エアバスがボンバルディアから買収した小型機A220のデモフライトが、中部空港(セントレア)で8月6日に開かれた。国内の航空会社や航空機リース会社などの招待者を乗せ、東海から北陸、甲信越地方を時計回りに約1時間フライトし、機内の静粛性や快適性をアピールした。A220はすでに海外の航空会社の機体が就航しているが、メーカーによる関係者向け試乗会は今回が初めてだ。

 A220を2018年7月に買収するまで、エアバスは主力のA320neoファミリーに100-150席クラスの機体を持っておらず、A318(最大1クラス132席)やボーイング737-600型機(同132席)などの後継機市場を担う機体サイズが空白になっていた。

 しかしなぜ、エアバスは日本初となるA220のデモフライトの地として中部を選んだのだろうか。

18年7月からエアバス機となったA220。日本市場への売り込みを強化している=18年7月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
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 A220は、ボンバルディアが開発した小型旅客機「Cシリーズ」の新名称。A220-100(旧CS100、100-135席)と、中胴が3.7メートル長い長胴型のA220-300(旧CS300、130-160席)の2機種を製造している。ボンバルディアはエアバスとボーイングの新世代機が不在の100-150席機市場を、Cシリーズで制するプランだったが、開発費がかさんだことなどで業績が悪化。エアバスへの事業売却につながった。

中部で日本初のデモフライトを実施したA220-300の機内。左2席+右3席の1列5席配列が特徴だ=19年8月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 来日したエアバスのマーケティング・ディレクター、クリスティン・ド=ガニュ氏は、今回のデモフライトを中部で行った理由を、「航空会社から