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「旅行業界でもリーダー目指す」 Cirium・ボーエンCEOに聞く航空データアナリティクスの今後

 1909年の航空専門誌創刊から歴史が始まり、航空分野のニュースや情報を提供する英国の「FlightGlobal(フライトグローバル)」が今年に入り、「Cirium(シリウム)」にブランドを刷新した。

 Ciriumは、世界最大の情報関連サービスプロバイダーであるオランダのRELX傘下。世界最古の航空専門誌「Flight International」や航空会社のビジネスに焦点を当てた「Airline Business」、航空機鑑定評価の「Ascend(アセンド)」など、仕事で航空分野に携わる人にとってはなじみ深いものだ。

 来日したジェレミー・ボーエンCEO(最高経営責任者)に、ブランド刷新の狙いなどを聞いた。

CiriumのボーエンCEO=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
FlightGlobalも継続
到着便を一元管理
ネットワーキングの場

FlightGlobalも継続

── なぜブランドを刷新したのか。

ボーエン氏:いくつかの企業を買収したが、2年くらい前から各社が持つデータを統一しようという機運が高まり、データアナリティクス分野でクラウドベースのサービスを強化していく今のタイミングで刷新した。

 データアナリティクス関連はCiriumに統一したが、ニュースや出版、イベントの分野は、FlightGlobalをブランドとして継続する。

── クラウドベースのサービスを強化するとのことだが、各企業のデータは統合済みなのか。

ボーエン氏:統合作業は進行中だ。Ciriumのプロダクトは、オンラインベースやCSV、APIなどいろいろある。いまは裏側でデータの統合を進めている。

 例えば、本当はオンラインではなくAPIを使いたいという顧客に対し、すぐにAPIを提供するといったサービスを行えるよう、作業を進めている。

── 日本は重要な市場なのか。

ボーエン氏:日本は重要な市場だ。それゆえ、日本語で対応できる体制を整えている。

── 日本ではどういった分野を強化したいか。

ボーエン氏:日本のオフィスは開設から10年くらいになるが、これまでは航空機ファイナンスに携わる金融機関や重工各社、サプライヤーがメインだった。

 近年運航スケジュールなどを扱う企業(記者注:米フライトスタッツなど)を買収しており、旅行分野を強化していきたい。従来の分野でもリーダーとしてのポジションを維持したいが、新たに旅行業界でもリーダーの立場を固めたい。

到着便を一元管理

── 日本の空港や航空会社が置かれた状況を見ると、エアバスA350-900ULRのように、航続距離が非常に長い機材により、アジアと北米間でこれまで以上にフライト時間が長い路線が出てきている。

ボーエン氏:個人的な意見としては、こうした長距離便は増えるだろう。旅行者も