全日本空輸(ANA/NH)は2月4日、福岡空港にリニューアルオープンする「ANAラウンジ(ANA LOUNGE)」と、新設するマイレージサービス最上級会員向け「ANAスイートラウンジ(SUITE LOUNGE)」を報道関係者に公開した。両ラウンジとも窓から飛行機が見え、開放感があるのが特徴で、7日午前6時から営業を始める。
—記事の概要—
・専用保安検査場とカウンター
・ゆったりしたスイートラウンジ
・短時間滞在者向けベンチ型シートも
専用保安検査場とカウンター
新ラウンジは建築家の隈研吾氏が監修。2017年9月に刷新した新千歳空港が第1弾で、「一期、一会」をコンセプトに各地の地域性が感じられる焼物やガラスなどの工芸品を展示する。エントランスや受付には、雲海をイメージした越前手すき和紙の「光壁」を配した。
1日に開業した伊丹に続き、第3弾となる福岡のラウンジは、場所を従来の2階から3階へ移し、新設のスイートラウンジと合わせた面積はこれまでの1.2倍に拡張。面積と席数は、ANAラウンジが約600平方メートルで約200席、スイートラウンジは約500平方メートルで70席強となった。各席には電源コンセントと充電用USB端子を用意した。
両ラウンジの窓からは滑走路や行き交う飛行機が見え、専用保安検査場を備えたラウンジ直結型カウンター「ANAプレミアムチェックイン(PREMIUM CHECK-IN)」を2階に新設。保安検査場は2レーン用意する。
保安検査場を通過後は、エスカレーターやエレベーターで3階の受付へ向かう。車いす利用者などを想定し、高さの低いカウンターも設けた。受付に向かって左側にANAラウンジ、右側にスイートラウンジの入口を設置した。
ゆったりしたスイートラウンジ
スイートラウンジの天井は、飛行機のフラップを模したデザイン。ウォールナットの木を使った「大和壁」により、落ち着きのある空間を演出している。ANAラウンジと比べ、くつろぐ利用者が多いことから、センターテーブルを囲んで座面の深いソファを設置した。
隈研吾事務所の名城俊樹設計室長は、「テーブルの人工大理石の模様がANAラウンジと異なるだけではなく、新千歳や伊丹、那覇のスイートとも違うものにした。奥のソファはよりゆったりしたソファで、ホテルのラウンジのようにした」と話す。
スイートラウンジでは、4種類のビールなどのアルコール類やソフトドリンクに加え、パンやおにぎりなど軽食も提供。また、千鳥屋の「あまおうショコラどら焼き」を2月7日から3月31日までの期間限定で提供し、かさの家の「梅ヶ枝餅」を用意する。
また、地域性を感じさせる工芸品として、大テーブルの栓(せん)の木を積み上げたディスプレーに福岡の「博多人形」と「高取焼」、佐賀の「白瓷(はくじ)」を展示している。
ANAでラウンジなどサービスの企画を担うCS&プロダクト・サービス室の阿瀬尚行室長は、「和をうまく表現し、地域性を持ったラウンジにしていきたい」と語った。
スイートラウンジは、3段階あるANAのマイル会員制度「AMC(ANAマイレージクラブ)」の最上位ステータス「ダイヤモンドサービス」会員と、「ラウンジアクセスカード」所有者のみ入室できる。
ANAは国内線幹線が就航する基幹空港に、スイートラウンジを設置している。これまでに羽田と那覇、伊丹、新千歳にターミナル改修などと連動して新設。福岡はラストの5番目となった。
短時間滞在者向けベンチ型シートも
ANAラウンジは、栓の木を使用した「大和壁」を取り入れ、滞在時間が比較的短いビジネス客の利用を重視。入口付近とドリンクコーナー近くには、ベンチ型のシートを新たに採用し、ラウンジ奥側にゆっくり過ごしたい利用者向けのソファを配した。
名城室長は、「窓側席の柱部分にミラーを配し、窓が連続しているようにした。天井も高くできるところは高くした」と、開放感を高めてる。
大テーブルの工芸品は博多人形のほか、福岡の「線香花火」、佐賀の「有田焼」と「唐津焼」を展示している。
ANAによると、ビールの銘柄は利用者のニーズに応え、両ラウンジとも4種類そろえたという。
福岡空港で、ANA便などをハンドリングするANA福岡空港会社の社長を兼務する、ANAの村部由佳夫福岡空港支店長は、「窓からは滑走路と福岡の風景が広がる。おもてなしの気持ちを感じていただけるラウンジにしたい」と抱負を語った。
ANAは国内線ラウンジの改修を進めており、福岡に続き今月28日には那覇がリニューアルオープンする。
*写真は31枚(エントランスと受付→ANAラウンジ→スイートラウンジの順)。
*スイートラウンジの写真特集はこちら [1]。
*ANAラウンジの写真特集はこちら [2]。
エントランスと受付
ANAラウンジ
スイートラウンジ
関連リンク
全日本空輸 [3]
隈研吾建築都市設計事務所 [4]
写真特集・ANA福岡新ラウンジ
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