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JAL、バンコク線でドイトゥンコーヒー 少数民族の貧困解決プロジェクト

 日本航空(JAL/JL、9201)は、日本発着のバンコク路線で「ドイトゥンコーヒー」を12月1日から提供する。タイ山岳地帯の貧困地域でアヘン生産のために栽培していたケシ畑を、コーヒー農園へ転作する「ドイトゥン開発プロジェクト」を通じて生まれたコーヒーで、タイのメーファールアン財団(MFLF)と、コーヒー専門店のミカフェート(東京・港区)が共同開発した。

JALがバンコク路線で提供するドイトゥンコーヒー(同社提供)

 同財団は、1969年にプミポン前タイ国王の母、ソムデーッ・プラ・シーナカリンタラー・ボーロマラーチャチョンナニー王太后により創設されたNGO(非政府組織)。アヘン栽培や人身売買、武器密輸で生計を立てていたミャンマー国境沿いのタイ北部に住む少数民族の貧困問題解決を目指している。

 開発プロジェクトは1988年にスタートし、少数民族の人々がアヘン生産に依存し、森林破壊や貧困問題に苦しむ生活から脱却できるよう、財団が取り組んでいる。再植林とマカダミアナッツ、コーヒー栽培で男性の雇用を、陶芸や織物、紙すきの工場を建てて女性の職場を生み出した。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は、同プロジェクトを「麻薬撲滅に世界で最も成功した事例の一つ」と2003年に認定し、生産製品に認証を与えている。

 ドイトゥンコーヒーは、プロジェクト地域に暮す6つの少数民族が栽培。生産量と品質向上を目指す財団が、ミカフェートの川島良彰社長に栽培技術の指導を2014年に依頼した。

 JALとミカフェートは、2009年に国内線ファーストクラスで同店のコーヒーを提供後、2011年に提携。国際線と国内線の全路線、全クラスへ拡大した。ドイトゥンコーヒーは、日本とバンコクを結ぶJALの全路線、全クラスで提供する。

 JALのバンコク路線は、成田線と羽田線が1日2往復ずつ、関西線と中部線が1日1往復ずつの計4路線1日6往復。機材はボーイング777-200ER型機と787-9、787-8を投入しており、クラス構成は3クラス(ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)または2クラス(ビジネス、エコノミー)となっている。

関連リンク
日本航空 [1]
MFLF – Mae Fah Luang Foundation [2]
ミカフェート [3]

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