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シンガポール航空、シルクエアー合併へ 単通路機にフルフラットシート

 シンガポール航空(SIA/SQ)は、子会社のシルクエアー(SLK/MI)を合併すると発表した。シルクエアーのボーイング737-800型機などのビジネスクラスに、2020年からフルフラットシートを導入。シンガポール航空と同等の客室にアップグレードする。合併は、新仕様機が一定数に達した段階で行う。

シンガポール航空と合併する子会社のシルクエアー=18年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シルクエアーの737 MAX 8のビジネスクラス=17年10月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 シルクエアーは、東南アジアのリゾート需要取り込みを視野に、1989年設立。1992年に当初のトレードウイングスから、現在のシルクエアーに改称した。アジア域内に就航するフルサービス航空会社として路線を拡大しており、現在は16カ国49都市へ就航している。

 2017年10月30日には、同社初の日本への定期便として、シンガポール-広島線を週3往復で開設。ボーイング737 MAX 8(2クラス156席:ビジネス12席、エコノミー144席)で運航している。737 MAXの定期便が日本の空港に就航するのも初となった。

 現地時間5月18日の発表によると、シルクエアーが運航する機材のビジネスクラスに、2020年から新型フルフラットシートを導入。ビジネスとエコノミー両クラスに、機内エンターテインメントシステムも導入するなど、1億ドル(約111億円)以上投資することで、親会社であるシンガポール航空の機材と同等の客室に改修する。

 シルクエアーは現在、エアバスA320ファミリーを11機、ボーイング737-800型機と737 MAX 8を合わせて22機運航している。737 MAX 8は37機発注済みで、将来的に737へ統一する。

シンガポール航空が787-10に導入したビジネスクラス新シート=18年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シンガポール航空の機材は現在、A380やA350-900、777-300ER、787-10など、すべて双通路のワイドボディー機となっているが、単通路機を運航するシルクエアーを合併することで、需要に応じた機材を投入できるようになる。

 航続距離が長い737 MAX 8を活用することで、広島のようにワイドボディー機を投入する市場規模ではないものの、需要が見込める都市にもシンガポール航空として就航できるようになる。

 合併時期について、シンガポール航空はシルクエアー機の改修が十分な機数に達してからとしており、詳細は改修プログラムの進捗に合わせて発表するという。

関連リンク
シンガポール航空 [1]
SilkAir [2]

シルクエアー
シルクエアー、日本初の737 MAX定期便 広島-シンガポール、週3往復 [3](17年10月30日)
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シンガポール航空
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