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羽田発着枠「あと2枠」特集・アメリカン航空の日本戦略

 ボーイング787型機を大量発注したアメリカン航空(AAL/AA)。米国の航空会社というと、日本から以遠権を用いたアジア路線を縮小するなど、日本を発着素路線の統廃合が進んでいるが、アメリカン航空は日本をどのように見ているのだろうか。

 日本の新年度を控えた3月下旬、ダグ・パーカー会長兼CEO(最高経営責任者)やロバート・アイソム社長ら、来日した同社幹部に話を聞いた。

—記事の概要—
羽田発着枠「あと2枠」
ファーストクラス「非常に重要」
東京五輪で供給量拡大へ

羽田発着枠「あと2枠」

来日したアメリカン航空のダグ・パーカー会長兼CEO=18年3月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アメリカン航空は現在、ダラス・フォートワースとシカゴ、ロサンゼルスから成田へ乗り入れており、2016年2月13日からはロサンゼルスから羽田へ就航。2011年からは、日本航空(JAL/JL、9201)と北米路線で共同事業(JV)を展開している。

 2017年11月には、ロサンゼルス空港のラウンジをリニューアル。成田と羽田2路線が就航するロサンゼルは、アメリカン航空の日本戦略にとって、重要な位置を占める。

 さらに、今年3月14日からは、ビジネスクラスの機内食で、日本料理の名店「くろぎ」の黒木純シェフ考案・監修による和食メニューを提供。黒木氏は、JALの機内食も監修しており、JALと連携して進めている機内サービス強化の一環だ。

 米国系航空会社が中国市場を強化する中、パーカー会長はアジアにおける日本の位置づけについて、「アジア地域最大の96人を置いており、これまで多くのフライトを飛ばしてきた。上海は必要があれば強化していく」と、日本の重要性を強調する。

 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた羽田の国際線発着枠増枠については、「もちろん興味がある」(パーカー会長)として、「現在は羽田からロサンゼルスへ運航しているが、少なくともあと2枠は欲しい。ダラスに飛ばす可能性は高いだろう」と、発着枠を仮に2枠以上獲得できた場合、本拠地であるダラス・フォートワースへの路線開設に意欲を示した。

ファーストクラス「非常に重要」

 近年米国系航空会社では、デルタ航空(DAL/DL)のようにファーストクラスを廃止し、ビジネスクラスに注力する航空会社もみられる。アメリカン航空としては、ファーストクラスをどう見ているのだろうか。

アメリカン航空のビジネスクラス。ファーストクラスは残すものの主戦場はビジネスクラスだ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

アメリカン航空のプレミアムエコノミークラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「非常に重要であり、(長距離路線に投入してる)ボーイング777-300ER型機にはファーストクラスがある。出張で利用する需要にフォーカスしている」と、アイソム社長は今後も重視していく姿勢を示した。

 一方で、ビジネスクラスには