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関空-ロンドン、復活のカギ握るビジネスクラス 特集・関空山谷社長インタビュー(前編)

 2017年の年間訪日客数が、2800万人を突破した。旺盛なインバウンド(訪日)需要の中で、アジアが占める割合は非常に大きく、羽田や成田よりもアジアに近い関西空港へ乗り入れる国際線が、けん引役を担っていると言っても過言ではない。

 関空は2016年に民営化され、4月には3年目に突入する。運営する関西エアポートの山谷佳之社長に、訪日需要の現状や、2006年を最後に途絶えているロンドン線復活の見通し、伊丹空港の改修、神戸など他空港の民営化などについて聞いた。

 前編では、訪日需要やロンドン線を中心に取り上げる。

—記事の概要—
つぼみから咲き出した時に民営化
訪日客と日本人の平均年齢差は10歳以上
ロンドン線カギはビジネスクラス

*後編はこちら [1]

つぼみから咲き出した時に民営化

── 2017年は振り返ると、どのような1年だったか。

関西エアポートの山谷社長=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

山谷社長:日本の景気が非常に良く、政治も選挙があったが政策も変わらず、安定している。そこにコンセッションビジネス支えられた。

 欧州も回復しており、アジアもそれなりに順調。空港も航空会社も平和産業だ。

── 訪日客数が2800万人に達したようだが、山谷社長の計画と比べてどうだったか。

山谷社長:国としては予定通りだったと思うが、もう少し減速して2700万人くらいかと思っていた。旅行会社に聞いても、2700万人くらいという声が多かった。

 (韓国の)THAAD(サード)問題もあったが、韓国からの訪日は多かった。結果として私たちの予想を上回った。

── 2017年の出来具合を点数で示すと何点か。

山谷社長:76点くらいかな。ものすごく努力して良い結果なら80点以上だが、民営化前の努力が実っている感じだ。つぼみから花が咲き出した時に、民営化がなされた。自分たちの努力もあるが、みなさんの努力が実っている。

 全体としては90点近い出来だとは思う。人によりけりだろうが、経営者は100点をつけないと思う。80点をつければ、ベリーグッドに入ってくるだろう。90点で残る10点は、将来に対してどのような手を打てるかではないか。

訪日客と日本人の平均年齢差は10歳以上

── 訪日需要が旺盛だが、減少した際にはどのような手を打つのか。

訪日需要が好調な関空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

山谷社長:減少することは