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ベルーガXL、進捗順調 18年夏、初飛行へ

 エアバスは現地時間10月9日、パーツ輸送を担う次世代大型輸送機「Beluga XL(ベルーガXL)」の製造が順調に進んでいると発表した。2018年夏の初飛行、2019年の運用開始を目指す。

組立が進むベルーガXL初号機=17年10月 PHOTO: Lionel MOREAU/Airbus

 現在製造が進んでいるのは5機製造するうちの初号機で、12月にはメインデッキ前部のカーゴドアの組立を開始し、年末には電源投入が始まる見込み。初号機は2018年夏をめどに初飛行し、10カ月間飛行試験を続ける。

 2号機は12月に最終組立に入り、3号機以降は年1機ずつ生産する。

 ベルーガXLは、現行のA300をベースとする大型輸送機A300-600ST「ベルーガ」の後継機。2014年11月に開発が発表された。A330-200F貨物機をベースに5機製造する。コンポーネントや機器は既存のものを再利用するが、コックピットや貨物室などは新規開発となる。

 機体の中核部分は、A330-200Fの構造部分を補強して使用。結合作業は、仏トゥールーズのブラニャック空港に隣接するエアバスの第2セクションL34ビル内で行われる。エンジンは現行のベルーガは米GE製CF6だったが、英ロールス・ロイス製トレント700を選定した。

 現行機よりも輸送力を30%向上させ、A350の主翼を2つ同時に運べるようにする。機体断面は1メートル広くなり、ペイロードも12%増える。既存のベルーガは新型機と順次入れ替え、2025年までに全機が退役する見通し。

ベルーガXLのメインデッキ前部カーゴドア=17年10月 PHOTO: F. Lancelot, Master Films/Airbus

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