787では全長がもっとも長い超長胴型「787-10」が、現地時間3月31日朝（日本時間31日夜）に初飛行した。
初飛行を終えてトーイングカーに牽引されセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
チャールストン空港から初飛行に向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行したのは、ボーイング787-10型機の飛行試験初号機（登録番号N528ZC）。787-10を一手に製造する米サウスカロライナ州のチャールストン国際空港を午前9時37分に離陸し、4時間58分の初飛行で操縦系統のシステムや操縦特性などを試験後、午後2時35分に同空港へ着陸した。
チャールストン空港には、ボーイングの社員や関係者、航空ファンなどが集まり、787-10を描いたTシャツなどを着て初飛行を祝った。
787-10は、標準型の787-8、長胴型の787-9に続く787ファミリーで3機種目となる機体で、全長は787-9と比べて5.5メートル長い68.3メートルと、3機種のうちもっとも長い。前部胴体は約13メートルで、787-9と比べて3メートル長く、約7メートルの787-8と比べると約2倍。中胴も787-9と比べ、3メートル長い。
ボーイングによると、設計と部品の95％は787-9と同じ。製造上の複雑さやコスト、リスクが生産システム全体で軽減され、航空会社に運航上のメリットをもたらすという。
標準座席数は2クラスの場合、787-9より40席多い330席。航続距離は1万1910km（6430海里）で、置き換え対象となるエアバスA330型機と比べて1座席あたりの燃費が25％以上向上し、A350と比較しても10％以上優れているとしている。
最大離陸重量は25万4000キログラム（56万ポンド）。貨物はLD-3コンテナの場合、前後の貨物室に2つずつ787-9よりも多く積め、搭載量としては787-9と比べて15％、787-8比では41％増える。
787の生産ラインは、ワシントン州シアトルのエバレットと、ノースチャールストンの2カ所あり、787-10はすべてノースチャールストンで製造。これまでに9社から149機を受注しており、初号機の引き渡しは2018年を予定している。
日本の航空会社では、全日本空輸（ANA/NH）を傘下に持つANAホールディングス（9202）が3機発注済み。2019年度から2020年度にかけて受領し、全機を国内線に投入する。
＊写真は38枚。
初飛行を終えてチャールストン空港に着陸する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えてチャールストン空港に着陸する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
チャールストン空港内に設置されたモニターで初飛行を終えた787-10初号機を見る観客＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて誘導路を走行する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて誘導路を走行する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて誘導路を走行する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて誘導路を走行する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて誘導路を走行する787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーの前に誘導される787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機（右）と787の大型部材を運ぶドリームリフター＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーによる牽引の準備が進む787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーによる牽引の準備が進む787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
トーイングカーに牽引されてセレモニー会場へ向かう787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
787-10初号機を操縦したティム・バーグ機長（左）とマイク・ブライアン機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
787-10初号機を操縦したティム・バーグ機長とマイク・ブライアン機長ら＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて記者会見する787-10初号機を操縦したティム・バーグ機長（左）とマイク・ブライアン機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えて記者会見する787-10初号機を操縦したティム・バーグ機長（左）とマイク・ブライアン機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
787-10初号機の初飛行を終えて記者会見する（左から）ボーイングのケン・サンガーヴァイスプレジデントとティム・バーグ機、マイク・ブライアン機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
9社から149機受注している787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
787-10初号機を操縦したティム・バーグ機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
787-10初号機を操縦したマイク・ブライアン機長＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
初飛行を終えた787-10初号機＝17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
関連リンク
787-10 First Flight [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]
写真特集・ボーイング787-10初飛行
離陸編 787最大の機体、チャールストン舞う [4]（17年4月7日）
初飛行当日の記事
・ボーイング、787-10の初飛行成功 超長胴型、ANAも発注 [5]（17年4月1日）
787-10
・ボーイング、787-10お披露目 ANAも発注 [6]（17年2月18日）
・ボーイング、787-10最終組立開始 ANAも発注 [7]（16年12月9日）
・ボーイング、787-10の詳細設計完了 部品製造や調達開始 [8]（15年12月3日）
・三菱重工、787主翼増産対応 下関工場拡張 [9]（15年9月16日）
・川重、787-10向け新工場完成 月産14機に対応 [10]（15年3月13日）
・ボーイング、787-10をローンチ 18年引き渡し開始 [11]（13年6月18日）
国内ではANAが発注、シンガポール航空は追加発注
・シンガポール航空、777Xを20機発注 787-10は19機追加 [12]（17年2月10日）
・ANA、787-10正式発注 最大サイズの787、19年度から国内線に [13]（15年3月28日）