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ボーイング、787-10お披露目 ANAも発注

 ボーイングは現地時間2月17日、787型機では全長がもっとも長い超長胴型「787-10」の初号機(登録番号N528ZC)を、米サウスカロライナ州のノースチャールストン工場でお披露目した。ロールアウト式典には、ドナルド・トランプ大統領らが招かれた。今後数週間で初飛行する見通し。

ノースチャールストン工場でお披露目された787-10(ボーイング提供)

 787-10は、標準型の787-8、長胴型の787-9に続く787ファミリーで3機種目となる機体で、全長は787-9と比べて5.5メートル長い68.3メートルと、3機種のうちもっとも長い。前部胴体は約13メートルで、787-9と比べて3メートル長く、約7メートルの787-8と比べると約2倍。中胴も787-9と比べ、3メートル長い。

 ボーイングは、787-9の胴体をそのまま延長することから、効率性と共通性の高さをアピール。設計と部品の95%は787-9と同一で、製造上の複雑さやコスト、リスクが生産システム全体で軽減され、航空会社に運航上のメリットをもたらすという。

 標準座席数は2クラスの場合、787-9より40席多い330席。航続距離は1万1910km(6430海里)で、双通路機(ワイドボディー機)により運航されている路線の90%以上をカバーできる。置き換え対象となる航空機と比べて燃費が25%以上向上し、次世代の競合機と比較しても10%以上優れているとしている。

 787の生産ラインは、ワシントン州シアトルのエバレットと、ノースチャールストンの2カ所あり、787-10はすべてノースチャールストンで製造。初号機の引き渡しは、当初計画通りの2018年を予定している。

 787の受注機数は、1月末時点で3機種合わせて1202機。内訳は787-9が635機でもっとも多く、787-8が418機、787-10が149機。787-10を発注した9顧客のうち、日本の航空会社では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が3機発注している。ANAは2019年度から2020年度にかけて受領し、全機を国内線に投入する。

 また、すでに30機発注済みのシンガポール航空(SIA/SQ)が、2月9日に19機を追加発注している。

ロールアウトした787-10=17年2月 PHOTO: Alan Marts/Boeing

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ボーイング・ジャパン [2]

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