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欧米並みのユニットコストはいつ実現?―検証・JAL中期経営計画(2)

 前回 [1]、日本航空(JAL)が掲げた2012年度から5カ年の中期経営計画の中で、気になる数字としてロードファクター(座席利用率、L/F)を挙げた。しかし、これ以外にも不安になる数字があった。ユニットコスト(座席キロ当たりのコスト)だ。JALはユニットコスト11.0円を中期計画の達成目標としているが、国際的な水準や国内の競合と比べるとどうなのだろうか。

「ひなまつりフライト」で機体を見送るJALのスタッフ。JALも“中期計画”という名のフライトを成し遂げられるか=3月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

海外は10円以下

 ユニットコストは「営業経費(=営業収入-営業利益)/国内線と国際線の提供座席キロ」の式で算出する。海外の航空会社のユニットコストはどのくらいなのだろうか。2011年の値を見てみよう。まずは、ユナイテッド(UAL)とコンチネンタル(COA)の合併やアメリカン(AAL)の破綻と、航空会社の再編が繰り返されるアメリカ。フルサービスキャリアの主要6社(デルタ、ユナイテッド、アメリカン、コンチネンタル、USエアウェイズ、アラスカ、ハワイアン)のユニットコストを平均すると約8円だ。

 ヨーロッパを見ると、英国ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW)とスペインのイベリア航空(IBE)の持ち株会社IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)は8.27円、ルフトハンザドイツ航空(DLH)は9.51円と10円未満だ。エール・フランス(AFR)と