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旅客数の不一致、12年以降236件 立ち乗りは5件、国交省調査

 国土交通省航空局(JCAB)は10月25日、搭乗手続き済みの旅客と実際に搭乗した旅客数の不一致が、2012年度以降236件発生していたと発表した。9月に福岡空港で発生した、全日本空輸(ANA/NH)の定員超過に関連し調査したもので、国交省は航空各社に対し、同日付で旅客数照合の厳格な運用を指示した。

国交省調査で旅客数の不一致が22社で236件判明=13年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国交省がANAや日本航空(JAL/JL、9201)をはじめとする、国内の航空会社22社を対象に調査したところ、今年9月までに旅客数の不一致が計236件発生していた。

 このうち、定員を超過し「立ち乗り」状態となったケースは5件発生。ANAが4件、JALが1件で、いずれも自走前に気づき、駐機場に戻っている。

 これを受けて国交省は航空各社に対し、搭乗手続き済みの旅客数と搭乗者数の照合方法の見直しを、10月25日付で指示した。

 また、機内での着席確認がドアクローズ前や駐機場からの移動開始前、自走開始前など、各社に違いがあったため、航空会社への通達を一部改正して統一する。改正案では、機体が駐機場から移動を開始する前までに着席し、シートベルトの着用を徹底する。

 通達の一部改正に向け、パブリックコメント(意見公募)を実施。11月下旬に改正し、12月中旬からの適用を目指す。

 福岡空港で搭乗手続きが済んでいない旅客が搭乗し、一時「立ち乗り」になったトラブルは、9月30日に発生した。満席だったANAの羽田行きNH256便(ボーイング777-200ER型機、登録番号JA742A)に、搭乗手続きが済んでいない旅客1人が搭乗。一時的に立ち乗り状態となった。同便は駐機場へ引き返し、約50分遅れで再出発した。

 国交省は10月11日、ANAを厳重注意とし、25日までに原因究明と再発防止策の文書での提出を求めた。ANAは25日に再発防止策を提出した(関連記事 [1])。

関連リンク
国土交通省 [2]

ANA、「立ち乗り」で再発防止策を提出
ANA、国交省に「立ち乗り」再発防止策提出 空港係員を増員 [1](16年10月25日)

国交省による厳重注意
ANA、搭乗手続きなしで「立ち乗り」 福岡発羽田行き、国交省が厳重注意 [3](16年10月11日)