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スターフライヤー初号機公開から10年 ライブドア強制捜査も

 スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が3月16日で就航10周年を迎える。現在の北九州空港開港と同時に就航したスターフライヤーは、1990年代の規制緩和で誕生した「新規航空会社」4社のうち、最後発となった。

 10年前を振り返ると、2005年暮れから3月の就航を控えた動きが本格化していた。そして、2006年1月16日という日は、ある大きな経済事件が起きた日でもあった。

スターフライヤーのA320初号機の機内=06年1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA

—記事の概要—
黒い旅客機、公開
同じ日にライブドア強制捜査
次の10年も顧客満足度No.1を

黒い旅客機、公開

 スターフライヤーの初号機となるエアバスA320型機(登録番号JA01MC)は、2005年12月15日に羽田空港へ到着。そして年明けの2006年1月16日には、品川プリンスホテルで事業説明会が開かれ、午後6時すぎから羽田空港で機内が公開された。

144席仕様とすることで席にゆとりを持たせた機内=06年1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA

 初の商業フライトは、2006年3月16日の北九州発羽田行き72便。最初に導入された3機のうちの1機である初号機は、2013年10月3日に退役している。約2万3694時間、1万9651回を飛行し、のべ200万人の乗客を運んだ。そして、2014年9月30日に4号機(登録番号JA04MC)が退役したことで、1クラス144席仕様の機体はなくなり、2011年に導入された5号機以降の150席仕様機9機に統一された。

 日本国内で見ると、全日本空輸(ANA/NH)の1クラス166席、LCC各社の1クラス180席と比べて、ゆったりとした機内が売りのスターフライヤー。2001年5月にエアバス・ジャパンが設立されて以来、初の受注でもあった。国内線機材ながらもフットレストを備え、シートピッチも現行機で34インチ(約86センチ)と、大手の31インチ(約79センチ)より広い。

北九州空港に着陸するスターフライヤーのA320初号機JA01MC=13年10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 黒を基調に白をあしらった機体デザインや内装、ロゴマークは、デザイナーの松井龍哉さんが担当。企業のブランドデザインを一手に担った。客室乗務員の制服も黒のパンツスーツに白いシャツ、白いスカーフと、機体に合わせたものだ。タリーズのコーヒーと、森永製菓(2201)のチョコレート「カレ・ド・ショコラ」を無料提供するサービスは、就航時から続いているサービスの一つだ。

 スターフライヤーでは、3月の就航10周年に向けて、さまざまなイベントを開いてきた。今後も10周年当日に向け、感謝祭などを計画している。

同じ日にライブドア強制捜査

 2006年1月16日というと、私個人としては、どうしても忘れられないことがある。

 当日の夕方、品川プリンスホテルでスターフライヤーの説明会の取材を終えた私は、機内取材のため羽田空港へ向かう報道関係者用バスに乗っていた。

都内のホテルで事業説明会を開いたスターフライヤーの堀高明社長(中央、当時)と、初公開された制服を身にまとった客室乗務員(両端)。ライブドア強制捜査はこの後だった=06年1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA

 「お前の会社、ガサ入ったんだって?」。車内で私の携帯電話から、唐突に