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ホンダジェット、引き渡し開始

 本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は現地時間12月23日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」の引き渡しを開始したと発表した。米・ノースカロライナ州グリーンズボロの本社工場で、量産初号機を引き渡した。

本社工場での引き渡しで顧客と握手するHACIの藤野道格社長(中央右、ホンダ提供)

 ホンダジェットはHACIが開発。主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載し、パイロット1人でも運航できる。

 ホンダジェットは2015年4月から、米国以外での公開は初めてとなるワールドツアーを実施。日本を含む13カ国に飛来するもので、量産16号機(登録番号N420HE)が4月23日、羽田空港に到着した。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、4日には成田空港でデモ飛行や見学会を実施し、空港を訪れた多くの人を魅了した。

 その後、5月には欧州、8月には南米の展示会に出展。受注拡大を目指している。

 これまでに100機以上を北米と欧州で販売。現在はHACIの本社工場で最終組立を実施。主に個人や企業の自家用機として、購入されているという。

 3月にFAA(米国連邦航空局)の事前型式証明(PTC)を、12月8日にFAAの型式証明を取得。機体の安全性をFAAに証明できたことで、引き渡しが可能になった。

 FAAによる試験は、米国内31州の54空港で実施。さまざまな運航条件下での離陸・巡航・着陸試験、飛行中のシステムの故障シミュレーション、高温、低温、高湿度など各種環境下での飛行試験、計器着陸試験を重ねた。

 これらの試験を含め、ホンダジェットの試験は米国内70カ所以上で実施。試験時間は3000時間を超えるという。

ホンダジェットの引き渡し開始を祝うHACIの従業員ら(ホンダ提供)

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