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「航続距離でビジネス変わる」特集・台北便で黒字目指すジェットスター・ジャパン(後編)

 11月27日に成田空港、12月11日に関西空港、12日に中部空港(セントレア)から、台北3路線を開設したジェットスター・ジャパン(JJP/GK)。本特集では片岡優会長への単独インタビューを通して、台北3路線の狙いや関空の第2拠点化後の国際線展開、黒字化の見通し、機材計画などを探る。

 特集の前編 [1]では、台北3路線や国際線就航時の課題、深夜早朝便に対する利用者の変化、国内線の今後を中心に聞いた。

出発を待つジェットスター・ジャパンの成田発台北行きのGK11便と横断幕を持つ地上係員=11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—前編の概要—
名古屋はこれから
現地の発着枠が取れない
朝一番の便、誰も乗らなかった
関西-仙台線や那覇拠点化の可能性

—後編の概要—
運航・整備で時間費やす
変化するLCCへの認識
成田と羽田
最大の赤字要因
座席数より航続距離

 後編では、2012年7月の就航以来、各所から指摘が続いている赤字の要因や、今後国内でLCCが発展していく上で必要となる周辺インフラ整備、求める機材像などに迫る。

運航・整備で時間費やす

── 2012年の就航当時、片岡会長はどのような業務を担当していたか。

台北路線の就航記念運賃を発表するジェットスター・ジャパンの片岡会長(中央左)とターナーCEO=10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

片岡会長:立ち上げから1年半くらい(日本支社長を務めるジェットスター航空から)出向していた。コマーシャル部門の責任者として、いろいろなポリシーの策定や、国土交通省との交渉の窓口、各空港との交渉などを、2012年9月までやっていた。

 そのほかには販売面の関わりがあり、ジェットスター・グループとしてジェットスター・ジャパンの航空券を販売したり、運賃設定を手伝っていた。

── 当事者から少し距離を置いた立場として、ジェットスター・ジャパンはどう見えていたか。

片岡会長:就航して、安全運航を軌道に乗せることがスタートアップの目標だった。当時は整備などテクニカルな面で問題があったので、私がアドバイスできるような内容ではなかった。鈴木(みゆき)前社長は、運航や整備面で時間を使われたのではないか。

 当時手伝っていたのは、LCCの認知度をどうやって上げていくか。そちらにかなり時間を費やしていた。

── ジェットスター航空を含めて、タレントを起用したテレビCMを多用している。こうした手法でなければ日本市場での認知度向上は難しいか。

片岡会長:ジェットスター・ジャパンだけでは、コストは見合わない。アジアやオーストラリアも含めたジェットスターとして、ブランド全体のプロモーション活動ができ、1社でやるより効果的だ。

 本当にタレントさんがLCCのプロモーションに必要なのかは、私自身も