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成田空港第3滑走路、国交相に地元が要望書

 成田商工会議所や周辺自治体の商工会などで結成する「成田第3滑走路実現する会」は4月28日、第3滑走路実現の署名と要望書を、国土交通省で太田昭宏大臣に提出した。16万6116人分の署名を同会の会員ら27人が届けた。

第3滑走路実現の署名と要望書を提出した「成田第3滑走路実現する会」の池内会長(中央)=4月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 署名した人々には反対派や中間派も含まれている。同会の池内富男会長は「重い署名。成田空港を何とか再編したいという熱意の表れ」と説明。滑走路の具体的な設置場所については研究していないといい、「それは国交省が考えること」とした。

 第3滑走路の設置で騒音対策地域が拡大することについては、「住民が第一。可能な限り解決していく」と説明した。

 池内会長は滑走路の設置時期ついて、2022年を目標としているが、今後、訪日客の増加により需要増が見込まれるため、2020年の東京オリンピック・パラリンピックよりも前になるとの認識を示した。池内会長によると、太田国交相は、成田空港の機能充実は重要だと話したという。

 成田空港は現在、4000メートルのA滑走路と2500メートルのB滑走路の2本で運用している。

 2013年度の総発着回数は22万6182回で、1日あたりに換算すると約620回となる。成田空港では管制機能の高度化により、1時間あたりの発着回数を64回から68回に引き上げている。今後、高速離脱誘導路の導入により72回に引き上げる。成田国際空港会社(NAA)によると、滑走路2本で年間30万回の離発着が可能で、現在は「空きがある状態」(NAA)だという。

 国交省では羽田と成田を合わせて、年間の発着回数を75万回にする計画を打ち出している。

 同会は成田空港の機能強化を目的に、2014年4月に結成。成田商工会議所のほか成田市観光協会と成田空港対策協議会、成田青年会議所、周辺自治体の商工会は酒々井(しすい)町、富里市、栄町、山武市、横芝光町、芝山町、神崎町、多古町で、成田市は東商工会が参加している。千葉県からは千葉県経済同友会と千葉県経営者協会、千葉県経済協議会の経済3団体が名を連ねている。

太田国交相(中央)に署名と要望書を提出する「成田第3滑走路実現する会」の会員=4月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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成田第3滑走路実現する会 [1](成田商工会議所)

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