エアライン — 2015年2月4日 13:46 JST

ANAの東南アジア路線プレエコ、3月から ビジネスもサービス強化

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 全日本空輸(ANA/NH)は3月から、東南アジア路線で上級クラスのサービスを拡充する。アジア路線では初となるプレミアムエコノミーを順次導入。ビジネスクラスでは機内食の提供方法を変更するなど、サービスを充実させる。

プレミアムエコノミーは4路線に

東南アジア路線で上級クラスのサービスを強化するANA=14年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 プレミアムエコノミーは座席幅約49センチ、シートピッチ約97センチ。パソコン電源やUSBポートなどを搭載した。食事はエコノミーのメニューに加え、ビジネスで提供するワインやデザートなどを用意する。

 成田-シンガポール、バンコクの各線と羽田-ジャカルタ線に導入。シンガポール線のうちNH801/802便には3月29日から、NH845/846便には6月11日から設定する。バンコク線とジャカルタ線はそれぞれ8月1日から。

 シンガポール線NH801/802便はボーイング777-300ER型機で運航する。座席数はファースト8席、ビジネス68席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー112席の計212席。現在の787-8型機はビジネスとエコノミーの2クラス222席(ビジネス42席、エコノミー180席)で、欧米の長距離路線と同様にファーストとプレミアムエコノミーを備える4クラスに増強する。

 シンガポール線NH845/846便とバンコク線は787-8で運航する。座席数はビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席の計169席。ジャカルタ線は国際線仕様の787-9を投入。座席数はビジネス48席とプレミアムエコノミー21席、エコノミークラス146席の計215席で、国際線仕様の787-8より46席増加させた。プレミアムエコノミーの座席数は同じ。

ビジネスクラスの機内食「コース方式」に

日本発路線で提供する「よねむら」のビーフシチューとハンバーグ、ふきのとうとクレソンのクリーム煮添え(ANA提供)

 3月1日から、東京(羽田、成田)-シンガポール、バンコク、ジャカルタの各線を対象に、ビジネスクラスの機内食を新メニューに更新。日本発路線では京都・祇園のレストラン「よねむら」のビーフシチューとハンバーグなど、機内食プロデュースチーム「ザ・コノシュアーズ」のメニューを提供する。

 海外発路線では、現地のホテルやレストランと提携したメニューを提供。シンガポール発ではリージェント・シンガポール・フォーシーズンズ(Regent Singapore A Four Seasons Hotel)のイタリアンなど、バンコク発ではアナンタラ(Anantara Siam Bangkok Hotel、3月にフォーシーズンズから名称変更)のオリジナルメニューを用意する。

 これまで、機内食をトレーに載せて提供していたものを、1品ずつ提供する「コース方式」に変更。欧米路線と同様の提供方式に統一する。早朝・深夜便を除く路線で開始するもので、適用路線はバンコク線が成田発のNH805便と羽田発着のNH847/848便、シンガポール線が成田発のNH801便と羽田発着のNH841/842便、ジャカルタ線が成田発のNH835便と羽田発のNH855便。

 就寝時にはパジャマや東京西川の枕、ソニー(6758)のノイズキャンセリングヘッドホンなどを用意。北米路線からの乗り継ぎ利用が多く移動時間が長いことから、サービス内容を統一する。ヘッドホンは6月から順次導入する。

 そのほか3月29日からは、ファーストクラスは成田-シンガポール線(NH801/802便)に導入する。アジア路線への現行機材でファーストクラスの導入は初めて。

 ANAは成田-クアラルンプール線の直行便開設や成田-ホノルル線の増便など成田路線の増強を進め、羽田空港と合わせて「デュアルハブ戦略」を進める。北米との乗り継ぎ需要が高いアジア路線でプレミアムエコノミーを新設。アジア-成田-北米の各便でサービスの一貫性を持たせる。

プレミアムエコノミー設定便の運航スケジュール
3月29日から
NH801 成田(18:05)→シンガポール(翌日00:05)機材:777-300ER
NH802 シンガポール(05:50)→成田(14:00)機材:777-300ER
*ファーストクラスも設定

6月11日から
NH845 成田(17:00)→シンガポール(23:15)機材:787-8
NH846 シンガポール(00:35)→成田(08:45)機材:787-8

8月1日から
NH807 成田(16:55)→バンコク(21:35)機材:787-8
NH808 バンコク(00:30)→成田(08:40)機材:787-8
NH855 羽田(10:05)→ジャカルタ(15:40)機材:787-9
NH856 ジャカルタ(21:25)→羽田(翌日07:10)機材:787-9

ビジネスクラス新メニューの対象路線
バンコク線
NH805 成田(18:15)→バンコク(23:35)
NH806 バンコク(07:05)→成田(15:00)
NH849 羽田(00:25)→バンコク(05:45)
NH847 羽田(10:50)→バンコク(16:05)
NH848 バンコク(11:20)→羽田(18:55)
NH850 バンコク(22:55)→羽田(翌日06:40)
*NH806/849/850便は従来の「トレー方式」で提供

シンガポール線
NH801 成田(18:05)→シンガポール(翌日00:40)
NH802 シンガポール(06:10)→成田(14:00)
NH841 羽田(10:45)→シンガポール(17:30)
NH843 羽田(23:55)→シンガポール(翌日06:35)
NH842 シンガポール(10:55)→羽田(18:30)
NH844 シンガポール(22:35)→羽田(翌日06:15)
*NH802/843/844便は従来の「トレー方式」で提供

ジャカルタ線
NH835 成田(18:10)→ジャカルタ(23:50)
NH836 ジャカルタ(06:25)→成田(15:45)
NH855 羽田(10:10)→ジャカルタ(15:55)
NH856 ジャカルタ(21:35)→羽田(翌日07:00)
*NH836/856便は従来の「トレー方式」で提供

関連リンク
全日本空輸

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