- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

成田空港、LCCターミナル8割完成 建設現場公開、連絡バス10分間隔に

 成田空港に4月8日開業予定のLCC(低コスト航空会社)用ターミナル「第3旅客ターミナル」。3月の引き渡しに向けて工事が進んでおり、工事進捗率は83%(2014年12月末時点)。ターミナルを運営する成田国際空港会社(NAA)は1月16日、建設現場を報道関係者に公開した。

建設が進む成田空港のLCCターミナル=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フードコートは早朝から営業

 LCCターミナルを使用するのは、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)とバニラエア(VNL/JW)、春秋航空日本(SJO/IJ)の3社。延床面積は約6万6000平方メートルで、保安検査場や国際線用のCIQ(税関・出入国管理・検疫)を備える本館と、国内線が発着するサテライト、両館を結ぶ連絡橋で構成される。年間利用者数は初年度が500万人、その後は750万人を想定している。

[1]

各階の施設位置図(NAAの資料から)

 本館とサテライト部分合わせて9機を駐機でき、飛行機への搭乗と降機には搭乗橋(PBB)を使用せず、乗客は徒歩で移動する。

 第2ターミナルの一部を転用する本館は既存の76番と77番スポットを改修し、国際線用スポットとして運用する。PBBを撤去し、エアバスA320型機やボーイング737型機などの小型機を5機駐機可能。サテライトは国内線用施設で、小型機を4機駐機できる。

 駐機場(エプロン)にはターミナルと飛行機の間に、トンネルのような屋根付き通路「エプロンルーフ」を開業までに設置。NAAによると、記念写真を撮る乗客などで、定時運航に支障が出ないようにするという。導入費用は総額2億3700万円。

 ターミナルの内装は天井を貼らず、案内表示を床や梁(はり)を活用して掲示。天井の高さは5メートル、柱を12.5メートル間隔で設置し、建設コストを抑えた。一方、ブランド品を扱う店舗などでは、天井を貼ってイメージに合った内装にする。

 本館2階の出発エリアには、24時間営業のコンビニエンスストアや書店などの店舗が入る。近年増加傾向になるイスラム教徒のため、礼拝室を制限エリアの内外に設ける。

 また、本館2階には国内空港最大の座席数400席程度のフードコートを設置。寿司やそば、うどん、ラーメン、ハンバーガーなどの店舗を置き、早朝からの営業を予定している。

 ターミナルは2013年8月に着工。建設費は契約額で132億円で、追加工事を含めると150億円程度となる見通し。これに既存施設の撤去費用などを加えると、総額200億円弱になるとみられる。

10分間隔のシャトルバス

 鉄道の最寄り駅は第2ターミナルと同じで、東日本旅客鉄道(JR東日本、9020)と京成電鉄(9009)の空港第2ビル駅。LCCターミナルには駐車場がないため、自家用車の場合も第2ターミナルが最寄りとなる。

[2]

第3ターミナルの位置(NAAの資料から)

 LCCターミナルは第2ターミナルから500メートル離れており、徒歩の場合は約15分、平均10分間隔で運行するシャトルバスで約5分程度かかる。高速バスやタクシーは、LCCターミナルにも乗降場を設ける。

 シャトルバスは第2ターミナルとLCCターミナルを往復するバスと、第1ターミナルからLCCターミナル経由で第2ターミナルへ向かうバスを新設。第2とLCCターミナルの往復バスは、午前4時半から午後11時まで、5分から12分間隔で運行する。第1ターミナルからLCCターミナルへ向かうバスは、運行時間や頻度をこれから決める。

 一方、時間帯によってはシャトルバスで利用者をすべて運びきれない場合が予想される。NAAでは、休憩スペースを4カ所設けた連絡通路による、徒歩移動も呼びかけていく。

*写真は計28枚(ログイン後にすべてご覧いただけます)。

外観の仕上げが進む成田空港のLCCターミナル=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

4月に開業するLCCターミナル=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

本館1階の手荷物荷さばき場1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天井は配管がむき出し=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際線の手荷物引渡場=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

工事が進む本館2階出発ロビー付近=1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire