エアライン, ボーイング, 機体 — 2014年11月12日 18:36 JST

緊急着陸のデルタ機、硫黄島でエンジン交換へ

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 11月9日、エンジントラブルで東京都小笠原村にある海上自衛隊硫黄島航空基地に緊急着陸した、デルタ航空(DAL/DL)の関西空港発グアム行きDL294便の機体は、エンジンそのものを交換する必要があることが、DALへの取材でわかった。

硫黄島に緊急着陸したデルタ航空の757-200当該機(N545US)=14年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 DL294便の機体はボーイング757-200型機(登録番号N545US)で、エンジンはプラット・アンド・ホイットニーのPW2037。9日午前10時13分に関空を出発したが、太平洋上で左エンジンにトラブルが発生したため、もっとも近い硫黄島へ午後0時58分に緊急着陸した。

 乗客163人と乗員8人(運航乗務員2人と客室乗務員6人)は、関空で日本を出国していたことから、成田空港から同型の代替機が到着するまで機外に出られなかった。乗客乗員171人が乗った代替機は午後9時37分に硫黄島を出発し、グアムには翌日午前0時25分に到着した。緊急着陸した機体は、現在も硫黄島に駐機している。

 同社によると、硫黄島にエンジンを輸送するため、民間の貨物チャーター機を使用する予定。作業日程を調整しており、チャーター会社はこれから決める。エンジン交換作業は、6人程度の整備士があたる予定で、チャーター機には2人の運航乗務員も乗せていく予定だという。

 硫黄島基地は海上自衛隊が管理しており、滑走路長は2650メートル。通常は管制など航空機に対する支援業務や、救難ヘリコプターによる洋上救難活動、小笠原諸島の急患輸送などを担当している。

 また、戦没者慰霊のため、羽田空港から年数回チャーター便が運航されており、直近では9月24日に日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング737-800型機が飛来している。かつては格納式タラップや後部ドアを備えたマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機が、地上支援設備が最低限で済むことから充てられてきたが、2013年3月にMD-90が退役後は737が使用されている。JALによると、乗客の乗り降りには自衛隊が用意したパイプ式タラップを使用しているという。

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デルタ航空
硫黄島航空基地隊(海上自衛隊厚木航空基地)

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