エアライン — 2014年7月28日 19:00 JST

松江上空でのアシアナ機乗客負傷、気象レーダーOFFに機長気づかず 運輸安全委報告

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 2012年8月21日に島根県松江市上空約4万フィート(約1万2192メートル)で発生した、アシアナ航空(AAR/OZ)のホノルル発仁川行きOZ231便(エアバスA330-300型機、登録番号HL8258)の乗客3人が重軽傷を負った事故について、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は7月25日、事故調査報告書を公表した。

アシアナ航空のA330=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同便には乗客206人と乗員14人の計221人が搭乗。12年8月21日午後3時17分ごろ、機体が大きく揺れたことで、乗客2人が重傷、1人が軽傷を負った。機体の損傷はなかった。

 報告書によると、機体が大きく揺れたことで、後部通路を歩いていた乗客が重傷を負った。さらに、近くの乗客が助けようとシートベルトを外した瞬間、機体が再び大きく揺れたため、重傷を負ったと推定している。

 機体が大きく揺れた原因については、気象レーダーがオフであったことに、機長と巡航中のみ機長業務を担うルート機長が気付かなかったため、同機が積乱雲の中や周辺を通過し、強い上昇気流を伴った風向風速の変化が激しい大気の乱れに遭遇したことによるとの見方を示した。

 同機が再度大きく揺れたのは、機体を安定させるために機長が自動操縦装置を解除した後の操縦が影響した可能性が考えられるとしている。

 また、気象レーダーがオフであったことに機長やルート機長が気付かなかった点については、気象状況や計器の監視が不十分だったのではとの見解を示した。

関連リンク
運輸安全委員会
アシアナ航空

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