エアライン, ボーイング, 機体 — 2022年12月7日 17:05 JST

最後のジャンボ機、ボーイングがお披露目 アトラス向け747-8F貨物機、23年納入

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 ボーイングは現地時間12月6日(日本時間7日)、アトラスエアー(GTI/5Y)へ2023年初めに引き渡される予定の747-8F貨物機がロールアウトしたと発表した。「ジャンボ」の愛称で親しまれた747の最終号機(登録記号N863GT)で、ワシントン州シアトル近郊のエバレット工場から姿を現した。

ボーイングのエバレット工場でロールアウトする最後のジャンボ機となるアトラスエアー向け747-8F貨物機(ボーイング提供)

 アトラスエアーなどを傘下に持つアトラス・エア・ワールドワイドは、2021年1月12日に747-8Fを4機発注したと発表。この時点で2022年の生産完了が予定されており、エバレットの最終組立工場で製造される最後の4機となった。アトラスは通販やエクスプレス貨物の需要拡大に対応するために導入する。

 747の最新型である747-8は全長76.2メートルで、現役の民間航空機の中で最長の機体。貨物型の747-8Fの最大積載量は137.7トンで、ピンポン玉やゴルフボールに換算すると約1900万個を運べるという。旧世代の747と比べて燃費が16%改善し、積載量が20%増え、エンジンの静粛性も30%向上した。エンジンはGE製GEnx-2Bを4基搭載する。

 世界初の双通路機である747は、1967年に製造を開始し、1969年2月9日に最初の試験飛行を実施。54年間で100以上の顧客向けに1574機が製造された。747の総飛行時間は1億1800万時間以上、飛行サイクルは約2300万回に及ぶ。

 747-8Fは、日本の航空会社では日本貨物航空(NCA/KZ)が導入。一方、旅客型を導入した会社はない。ボーイングの10月末時点のキャンセル分を含む受注実績によると。747-8は旅客型の747-8を58機、貨物型の747-8Fを142機受注。このうち旅客型は48機、貨物型は105機引き渡しており、受注残はアトラスエアー向けの747-8Fが2機となっている。

 ボーイングは747-8Fの後継機として、開発中の大型機777Xの貨物型となる「777-8 Freighter(777-8F)」を今年1月31日にローンチしたと発表。2機種ある大型旅客機777Xのうち777-8をベースにしたもので、航続距離4410海里(8167キロ)、胴体長70.9メートル、最大積載量(ペイロード)は118トン。747-400Fとほぼ同等の積載能力を持つ。777-8Fの納入開始は2027年となる見通し。

ボーイングのエバレット工場でロールアウトする最後のジャンボ機となるアトラスエアー向け747-8F貨物機(ボーイング提供)

ボーイングのエバレット工場でロールアウトする最後のジャンボ機となるアトラスエアー向け747-8F貨物機(ボーイング提供)

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Atlas Air Worldwide
Boeing
ボーイング・ジャパン

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