エアライン, 空港 — 2020年9月30日 23:49 JST

エアアジア・ジャパン2度目の撤退へ 9月4連休が最後

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 マレーシアのエアアジア・グループは、日本法人であるエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)の事業継続を断念し、撤退する方針を9月30日までに固めた。エアアジア・ジャパンの撤退は7年前の2013年10月以来2度目となる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運航がままならない状況が続き、9月は中部-札幌(新千歳)線を12日と13日、19日から22日までの4連休に運航したのみで、その他の3路線はすべて運休した。10月も夏ダイヤ最終日の24日まで全路線全便の運休が決まっており、このまま運航を終えるとみられる。

*撤退を正式発表。記事はこちら

2度目の撤退となるエアアジア・ジャパン=20年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社は中部空港を拠点とし、国内線は札幌線と仙台線、福岡線、国際線は台北(桃園)線の計4路線。新型コロナの影響で、台北線は3月20日から運休しており、国内線は8月から約4カ月ぶりに運航を再開したものの、9月は中部-札幌線を除いて全便運休となった。同社のSNSには返金を求めるコメントが寄せられている。

 エアアジア・ジャパンの4-6月期輸送実績は、旅客数が前年同期比98%減の2482人、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)が97%減の400万席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)が99%減の200万人キロ、ロードファクター(座席利用率)は36ポイント低下し42%だった。

 機材はエアバスA320型機が3機で、座席数は初号機(登録記号JA01DJ)と2号機(JA02DJ)が1クラス180席、3号機(JA03DJ)が1クラス186席。9月に稼働した機体は3号機のみだった。

 第1期のエアアジア・ジャパンは、持株会社化前の全日本空輸(ANA/NH)との合弁で2012年8月1日に就航し、2013年10月26日で運航を終えた。第2期は2014年7月1日に楽天(4755)などと共に日本市場へ再参入するとエアアジアが発表したが、就航は当初計画より約2年遅れの2017年10月29日となった。

関連リンク
エアアジア

撤退を正式発表
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第1期エアアジア・ジャパン
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