国際線のファーストやビジネスクラスの楽しみと言えば機内食。食事とともにワイン選びを楽しむ人も多いのではないか。一方、同じ酒類でも今ひとつ注目を浴びないのが日本酒だ。
日本航空(JAL、9201)では3月に入り、国際線ファーストとビジネス両クラスで提供する日本酒を刷新。3カ月ごとに入れ替える銘柄は、ビジネスの1本を除き純米大吟醸で統一した。これまで、純米大吟醸とともに大吟醸や純米吟醸も提供していたが、国際線ファーストクラスはすべて純米大吟醸になった。
—記事の概要—
・純米大吟醸ありき、ではない
・ビジネスで若手に機会を
・15銘柄中13銘柄がJALオリジナル
・十四代の粕漬けで1.7倍
なぜ純米大吟醸がメインなのか、銘柄選びの苦労は──。酒の中でも特に日本酒を好む記者個人の好奇心もあり、JALの商品サービス開発部機内食オペレーション室の瀬戸山善久アシスタントマネジャーと、同部リードキャビンアテンダントの横山由美さんにお話を伺った。
純米大吟醸ありき、ではない
「純米大吟醸に固執したわけではなく、幅広いニーズに応えられる銘柄を心がけた結果、こうなりました」と説明する瀬戸山さん。純米大吟醸は酒米(さかまい)を50%以上磨くなど、一般的に高級な部類に入るが、名前ありきの選定ではなかった。「日本酒好きな方は力強い純米吟醸を好む方も多いのですが、口当たりの良さや料理との相性などで、結果的に純米大吟醸になりました」。
単体のネームバリューや希少価値も銘柄選びの基準にはなったが、機内食メニューとのバランスも重要視した点だという。「香りの高いものが一つあれば、