エアライン, 官公庁, 空港, 解説・コラム — 2018年10月10日 12:50 JST

伊丹の臨時国際線、中止に 関空の荷物システム再開で

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 国土交通省航空局(JCAB)は10月10日、伊丹空港を発着する国際線臨時便の運航認可を取り消す意向を固めた。台風21号による被害が生じた関西空港のバゲージハンドリング(荷物扱い)システムが、あす11日から全面復旧するため。この決定を受け、伊丹-香港間の臨時便を運航予定だった日本航空(JAL/JL、9201)は、行先を関空に変更するとみられる。国交省は10日夕方にも発表する見通し。

*正式発表の記事はこちら

伊丹発着の香港臨時便を運航予定だったJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALは9月21日に、伊丹-香港間の臨時便を運航すると発表。香港発を10月17日、伊丹発を21日に運航予定だった。

 関空は9月4日に台風21号の直撃を受け、1994年9月4日の開港時から運用している1期島にあるA滑走路が冠水。JALなどが乗り入れる第1ターミナルは、地下になる電源設備が海水被害に遭い、大規模な停電が発生した。

 9月21日には、第1ターミナルの旅客扱いが全面的に再開。しかし、バゲージハンドリングシステムの復旧が一部にとどまっていたことから、国交省は伊丹発着の国際線臨時便就航を認めた。同システムが復旧することで、伊丹の臨時便を飛ばす理由がなくなるため、運航中止を決めた。

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