ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2018年7月16日 15:14 JST

“797”就航時期、2025年で変わらず マレンバーグ会長

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は現地時間7月15日、ロンドンで会見を開き、“797”とメディアが呼ぶ小型機737 MAXと中大型機787の間に位置する中型機「NMA(New Middlesize Airplane)」について、従来より同社が示している2019年にローンチする方向で、検討を進めていると述べた。

“797”とメディアが呼ぶ次世代単通路機について説明するボーイングのマレンバーグ会長=18年7月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 NMAは、北米の航空会社を中心に需要がある中型機757の後継機とされるもので、メディアの間では、787に続く「797」が割り当てられるのではないかとみられている機体。昨年6月のパリ航空ショーでローンチが発表された、ボーイング最大の単通路(ナローボディー)機737 MAX 10と、双通路(ワイドボディー)機の中では小型となる787-8の間に位置するサイズで、2クラス約200席の757-200や、同250席の757-300の置き換え需要が期待できる。

 マレンバーグ会長は、「顧客の必要性を探り、良いビジネスを模索したい」と語り、ローンチした場合の就航時期については、従来通り2025年を想定していることを示した。一方で、797に関する具体的な仕様などの言及はなかった。

 現地時間16日朝(日本時間同日夕方)にロンドン近郊で開幕するファンボロー航空ショーでは、ボーイングは開発中の737 MAX 7の飛行展示(フライトディスプレー)などを行う予定。ライバルのエアバスは、757の置き換え需要をA321neoや航続距離延長型のA321LRで獲得しつつあり、需要が旺盛な単通路機市場を中心に、世界2強がファンボローでどのように受注を伸ばすかが注目される。

 日本の航空会社では、ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチ・アビエーション(APJ/MM)が、航続距離の長い小型機による中距離国際線を計画。現時点では、条件に合致する機体が事実上A321LRのみだが、797がローンチすれば、航空会社の選択肢が広がりそうだ。

関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
Farnborough International Airshow 2018

“797”
ボーイング幹部、”797″の市場規模4000機 「アジアが潜在需要No.1」(17年10月12日)
「797」ってどんな機体? 特集・検討進む757後継機(17年9月16日)
ボーイング、757後継機に慎重「より大型求められている」(16年10月11日)

A321LR
A321LR、11時間の試験飛行 セイシェルからトゥールーズへ(18年4月12日)
ジェットスター、A321LR導入 20年から18機(18年2月24日)
A321LR、初の大西洋横断 パリからニューヨークへ(18年2月15日)
エアバス、A321LR初飛行成功 年内就航目指す(18年2月1日)

ANAの中距離LCC
ピーチ井上CEO「バニラ統合でアジアけん引」 ANAHD株主総会(18年6月28日)
ANA、LCCで中距離国際線 18-22年度中期計画、大型貨物機も(18年2月1日)