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エアバス、日本市場シェア20年度に30%目指す ANAのA380は18年末塗装完了

 エアバスは5月15日、同社製航空機や市場動向の報道関係者向け説明会を都内で開いた。2019年に日本航空(JAL/JL、9201)のA350-900型機と、全日本空輸(ANA/NH)のA380が就航することから、エアバス製ワイドボディー機(広胴機、双通路機)の説明が主体となった。ANAのA380は、機体の塗装が年末までに終わる見通しだという。

19年から日本への納入が始まるA380とA350-900=15年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エアバス・ジャパンのジヌー社長=18年5月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エアバスの4月末時点での受注は1万8277機で、納入は1万1098機、受注残は7179機。日本法人であるエアバス・ジャパンのステファン・ジヌー社長は、「2017年の納入は718機で過去最高となり、15年連続で増加している。受注は1109機で、毎年1000機を超える受注を獲得している」と述べた。

 「生産レートは、A320が2019年半ばまでに月産60機に達する予定で、A350は2018年末までに月産10機を目指している。これまではA320を中心とした単通路機(ナローボディー機)が主流だったが、今後はワイドボディー機の存在感も高まるだろう」(ジヌー社長)と述べた。

 日本でのエアバスのシェアについては、「2020年度には約30%に達し、長期的には世界と同じ50%を目指す」という。

 今回の説明会では、A380やA350が満席状態で東京-マイアミ間を飛べることや、混雑が激しいヒースロー空港でのA380の運航効率の高さ、長距離を飛べる小型機A321LRの現状などに触れた。

—記事の概要—
A380
A330neoとA350
A321LR

*A330-800neoについてはこちら [1]

A380

 エアバスでインベスターマーケティング・ディレクターを務めるキース・ストーンストリート氏は、「日本ではエアバス機が92機運航中で、80機の受注残がある」と、日本市場でエアバス機が増加傾向にあることを示した。

異なる配色でデザインするANAのA380(イメージ、同社提供)

エアバスのストーンストリート氏=18年5月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A380について、ストーンストリート氏は「長距離旅客の95%が58都市へ向かう中で、A380は60都市に就航している。最近就航した路線は、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)のロンドン(ヒースロー)-シカゴ線だ」と述べた。

 ストーンストリート氏は、日本政府が2020年までに年間訪日客数4000万人を目指している点に触れた。「空港の発着枠も、航空会社のロードファクター(座席利用率)もフルに近い。発着枠増枠も予定されているが、(現状のままでは)500万人の訪日客数が不足するだろう。ヒースロー空港では、全体の4%にあたるA380によるフライトで、全旅客の10%を運んでいる」(ストーンストリート氏)として、羽田のように混雑が激しく発着枠の大幅増枠が難しい空港に、A380が適していることを強調した。

 また、4クラス575席に貨物を11トン搭載した状態で、東京からマイアミに飛べる