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スムーズな入国審査でハワイ入り 特集・ハワイアン航空羽田便で行くコナとホノルル(1)

 ゴールデンウイークの予約状況が、航空各社から4月20日に発表された。欧州や東南アジア、グアムなどが好調で、おおむね予約率は8割を超えている。こうした中、日本人に人気があるハワイも、8割台と好調だ。しかし、ハワイと言えば夏休みの定番旅行先。ゴールデンウイークは別のところへ出掛け、ハワイ行きの航空券やホテルの手配はこれからという人もいるだろう。

 一方で、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)は、入国審査場に長蛇の列ができることでも有名だ。日本からの到着便は朝から昼前に集中しており、到着して入国審査を終えるまで、1時間ほどは覚悟しなければならない。ハワイ州も空港の混雑に対して対応を進めてはいるものの、敷地が限られていることもあり、直ちに抜本的な対策を取ることは難しい。

羽田空港で出発を待つハワイアン航空のコナ行きHA852便のA330-200=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 こうした中、ストレスなくハワイ入りする方法のひとつとして、ハワイ島のコナ空港を利用する方法がある。コナへ乗り入れている国際線は、現時点では地元のハワイアン航空(HAL/HA)の羽田線(HA851/852便、16年12月就航)と、日本航空(JAL/JL、9201)の成田線(JL770/779便、17年9月再開)のみ。到着時間は2時間ほどずれており、ホノルルのような混雑はみられない。

 ハワイ旅行のリピーターであれば、旅行の前半はハワイ島やほかの島々を巡り、後半にホノルル入りしてショッピングや観光を楽しんで帰国する、という旅程も良いのではないか。ハワイアン航空であれば、羽田からコナへ向かい、コナをはじめとするハワイ各地からホノルル入りすることができる。帰国時も、ホノルルやコナから羽田に戻れるので、利便性が高い。

 また、今年3月25日に始まった夏ダイヤからは、ハワイアン航空とJALはコードシェア(共同運航)とラウンジの相互利用を始めた。

—記事の概要—
羽田発の深夜便
iPadが個人用モニター
足もとが開放的
7分で入国審査完了

特集・ハワイアン航空羽田便で行くコナとホノルル
(2)こぢんまりしたコナからホノルルへ [1]

 今回、ホノルルでハワイアン航空の取材があった私は、羽田発コナ行きHA852便と、コナからホノルルへ向かうハワイ州内路線、ホノルル発羽田行きHA457便を使用した。実際の使い勝手はどうだろうか。

羽田発の深夜便

 ハワイアン航空のコナ行きは、羽田を深夜に出発し、コナには昼に着く深夜便だ。都内で夜まで働き、そのままハワイ旅行に旅立つことも可能だ。現地には昼到着なので、ホテルのチェックインまで時間を無駄にすることも少ないだろう。

ハワイアン航空のビジネスクラス客が利用できるTIATラウンジ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回、往路の羽田からコナはビジネスクラス、復路のホノルルから羽田はエコノミークラスを利用した。ビジネスクラスの場合、羽田では保安検査場の優先レーンを使用できないが、ラウンジは国際線ターミナルを運営する東京国際空港ターミナル(TIAT)のラウンジ「TIATラウンジ」が利用できる。

 夜11時前にラウンジへ入ると、深夜便の時間帯のためか、さほど混雑していない。野菜カレーやオニオンスープ、牛丼、焼きそば、カップ麺、カリフォルニアロール、いなりずし、ショコラデニッシュなどの軽食が並び、コーヒーやソフトドリンク、アルコール類も揃っている。

iPadが個人用モニター

 出発は定刻午後11時55分で、サテライト側の搭乗口を使用。この日は143番ゲートから出発した。ウエルカムドリンクで、グアバジュースをいただいた。飛行時間は、7時間30分ほどを予定しているという。

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスで貸与される12.9インチのiPad Pro=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 コナ線をはじめ、ハワイアン航空の日本路線の機材はエアバスA330-200型機。座席数は3クラス294席で、ビジネス18席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー236席となる。ビジネスのシートは、イタリアのシートメーカー、オプティメレスとの共同開発で、ポルトローナ・フラウ製の皮など高級素材を採用する。夫婦や恋人同士、家族連れの利用を想定し、1列2-2-2席のシート配列となっている。

 映画などの機内エンターテインメント(IFE)は、12.9型のiPad Proを使用する。離陸してしばらくすると、客室乗務員がビジネスクラスの乗客ひとり一人にiPadとヘッドホン、Lightningケーブルを配っていた。iPadにインストールされているIFEのアプリは、英語のほか、日本語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語に対応していた。

 シートにはiPad用スタンドが収納してあり、立てかけて映画などを観賞できる。スタンドにiPadをセットしてしまうと、ビジネスクラスのシートにありがちな収納式の個人モニターのような感じになった。

 出発から1時間近くたつと、機内食の時間になった。青のりとペッパーを中心とした味付けがされたチキン「ふりかけチキン」がメインで、ニンジン入りマッシュポテトなどが添えられていた。ハワイの「ココヘッドカフェ」のシェフとコラボしたメニューを、日本発羽田行きのビジネスクラスで提供していた。

 デザートは、ほろ苦いキャラメルがアクセントの「ソルト キャラメル プリンのキャラメルソース添え」。コーヒーはマグカップで提供された。周囲を見渡すと、7人ほどの乗客は機内食を食べず、すでに眠っていた。

 食後にラバトリー(化粧室)に入ると、飾り付けがされており、ハワイらしさがあった。席に戻ってからはテーブルを出して仕事をしたが、13インチのMacBook Proで作業するには十分な大きさで、おそらく15インチでも問題ないだろう。

足もとが開放的

 ビジネスクラスは寝具が用意されており、フルフラットポジションにしたシートにマットレスを敷き、まくらを置いて横になった。

フルフラットシートになるハワイアン航空の新ビジネスクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シートは長さ193センチ(76インチ)、幅52センチ(20.5インチ)で、ボーイング777型機のような大型機と比べると横幅はやや狭いものの、ゆったり休むことができる。長距離路線で主流となっているスタッガード配列やヘリンボーン配列と比べると、足もとが開放的なのも特長。隣席との間には可動式のパーティションもある。

 電源は、コンセント1つと充電用USB端子が2つ用意されており、ノートパソコンを使いながらスマートフォンやタブレット端末も充電できる。USB端子はペットボトルを置ける中央アームレストの小物入れに設置してあり、スマートフォンを置く場所に困らない構造だった。

 また、足置きの下は、くつなどを収納できるスペースが設けられていた。

7分で入国審査完了

 朝食は「サツマイモのカレー風オムレツとポークソーセージのグリル」がメインで、温かいクロワッサンやフルーツが添えられていた。このほかに、メインを除いたメニューも用意されていた。

コナに到着したハワイアン航空の羽田発HA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 そして、到着前にはホノルルで有名なクッキー「ホノルル・クッキー・カンパニー」のクッキーがおみやげとして配られた。

 昼12時30分(日本時間朝7時30分)すぎにコナへ到着。PBB(搭乗橋)はないので、タラップが付けられた。空港に降り立つと、目の前には白いテントが見えた。コナは国際線施設が老朽化したため、現在はこのテントが入国審査の施設だ。

 中にはESTA用のキオスク端末や、入国審査官のブースが並ぶ。私は乗客の中で2番目に降りたが、白いテントに入ってから入国審査を終えるまで、所要時間は7分ほどだった。私は報道ビザのため、審査官に主な取材内容などを説明するやり取りがあったが、観光客でESTAを使用する人であれば、さらに短時間で入国できただろう。

 また、エコノミークラスの後方席であっても、ホノルルのように入国まで1時間かかるといったことはなさそうだ。

 私はコナへ到着後、すぐにホノルルへ向かうため、国内線の搭乗口へ向かった。次回はコナからホノルルまでを取り上げる。

第2回 [1]へつづく)

*写真は38枚。

羽田空港国際線ターミナルのハワイアン航空カウンター=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でハワイアン航空のビジネスクラス客が利用できるTIATラウンジ=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

TIATラウンジは深夜便の時間帯のため利用者は少なめ=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のビジネスクラス客が利用できるTIATラウンジ=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田のサテライト側に発着するハワイアン航空のコナ行きHA852便=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便に搭乗する乗客=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便のビジネスクラス=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便のビジネスクラス=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便のビジネスクラス=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便のビジネスクラス前列中央席=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空の羽田発コナ行きHA852便のビジネスクラスで提供されるウェルカムドリンク=17年11月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスで貸与される12.9インチのiPad Pro=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスの機内食=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスのデザート=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスシートのリクライニングスイッチ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ベッドポジションにしたハワイアン航空のビジネスクラスシート=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ベッドポジションにして寝具をセットしたハワイアン航空のビジネスクラスシート=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

照明が暗くなったハワイアン航空のコナ行きHA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

客室乗務員による飾り付けがなされたハワイアン航空のコナ行きHA852便のラバトリー=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

13インチのMacBook Proをテーブルに置いたハワイアン航空のビジネスクラスシート=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラスの朝食=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ハワイアン航空のコナ行きHA852便のビジネスクラス客に配られるホノルルクッキー=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナに着陸するハワイアン航空の羽田発HA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナに着陸するハワイアン航空の羽田発HA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナに到着したハワイアン航空の羽田発HA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港の入国審査施設=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナに到着したハワイアン航空の羽田発HA852便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港の入国審査施設=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港の到着口=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

コナ空港の国内線出発エリア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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