エアライン — 2017年11月27日 18:37 JST

JALとアエロフロート、包括的業務提携に合意 18年度以降にコードシェア

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 日本航空(JAL/JL、9201)とアエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)は11月27日、包括的業務提携の覚書を交わした。2018年度以降の日本-ロシア間でのコードシェア(共同運航)実施やマイレージ提携などに向け、協議を進めていく。現在JALが提携しているS7航空(SBI/S7)とは、提携路線などで住み分けを図る見通し。

JALと包括的業務提携に合意したアエロフロート・ロシア航空=15年6月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 JALとアエロフロートがコードシェアを予定しているのは、JALの運航便が成田-モスクワ線と日本国内線、日本発着の国際線で、アエロフロート便はモスクワ-成田線とモスクワ発着のロシア国内線。JALの国際線をはじめ、具体的な路線や開始時期はこれから詰める。

 JALは現在、S7とロシア路線のコードシェアを実施しているが、S7はモスクワと日本を結ぶ路線を運航していない。このため、成田-モスクワ線はJAL便にS7がコードシェアを実施しているのみとなっている。同路線以外のJAL便では、成田以遠の日本国内線と成田-バンコク線でS7とコードシェアを実施し、S7運航便はモスクワ発着のロシア国内線17路線とハバロフスク-成田線、ウラジオストク-成田線が対象となっている。

 今回の提携により、JALのロシア路線のパートナーは、モスクワ発着路線はアエロフロート、極東路線はS7と、住み分けを図るもようだ。また、JALとS7が加盟する航空連合は「ワンワールド・アライアンス」、アエロフロートは「スカイチーム」と異なり、今回の提携はアライアンスをまたいだものだ。近年はアライアンス内の提携強化よりも、関係の深い会社同士による、2社間連携が世界的に増える傾向にある。

 JALも、7月にベトナムのLCCのベトジェット航空(VJC/VJ)、9月にインドの新興航空会社でタタ・グループのビスタラ(VSS/UK)、ハワイアン航空(HAL/HA)、10月にアエロメヒコ航空(AMX/AM)と、立て続けにワンワールドに属さない航空会社との提携や覚書締結を発表している。

 日露間の渡航者数は、今年1月1日に両国がビザの発給要件を緩和したことに伴い、順調に増加。4月には、アエロフロートによるモスクワ-東京路線が定期便就航50周年を迎えた。就航当時のモスクワ-羽田線はJALと共同運航を実施しており、機材とパイロットはアエロフロート、客室乗務員はJALと混成チームで運航し、利益と経費は双方で等分していた。

 1970年には、当時のソビエト連邦政府が外国籍の航空会社によるシベリア上空通過を許可したことから、JALは同年3月から自社便でモスクワ線の運航を始めた。

 JALとアエロフロートは今回の覚書締結により、マイル提携やモスクワでJALが利用する空港の移転、共同事業(JV)の検討など、将来的な提携内容の協議も進めていく。

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