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JALとトリップアドバイザー、外国人が知らない日本の魅力紹介 新サイト「知られざる日本」開設へ

 日本航空(JAL/JL、9201)と世界最大の旅行サイト「TripAdvisor(トリップアドバイザー)」は9月11日、新たにトリップアドバイザーが立ち上げる日本特集サイトで情報発信し、訪日客の国内旅行を喚起する取り組みを共同で始めると発表した。10月中旬以降、アジア太平洋地域13カ国のトリップアドバイザーのサイトで公開する。

訪日客の国内旅行を喚起する取り組みを共同で進めるJALの植木社長(右)とトリップアドバイザーのカウファーCEO=17年9月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トリップアドバイザーと進める訪日客の国内旅行を喚起する取り組みを説明するJALの植木社長=17年9月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新たに構築する日本特集サイトの名称は、「Untold Stories of Japan(知られざる日本)」。当初は東北の松島、沖縄の宮古島や石垣島、九州、東京近郊の都市に焦点を当てた映像コンテンツを中心に展開し、最終的には北海道から沖縄まで全国をカバーする。

 映像コンテンツでは、観光スポットやレストラン、地域の行事などを紹介。クリックすると、旅行の計画に役立つ情報を表示する。

 対応言語は英語、中国語(繁体字)、タイ語の3言語でスタートし、順次追加予定。当初は、アジア太平洋地域の13カ国で展開していく。

 トリップアドバイザーは、49カ国・地域でサイトを展開。月間ユニークユーザー数(UU、来訪者数)は約4億1500万人で、口コミは5億3500万件あるという。

JALと進める訪日客の国内旅行を喚起する取り組みを説明するトリップアドバイザーのカウファーCEO=17年9月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 トリップアドバイザーによると、日本関連ページの閲覧者数は、過去4年間に毎年平均30%増加しているという。一方、閲覧する都市を見ると、外国人の認知度が高い東京が2016年の比率で34%、大阪が11%、京都が9%と、3都市に偏っているという。新サイトは、外国人にあまり知られていない日本の地域や都市、施設に焦点を当て、これまでとは違った日本の魅力を外国人に紹介していく。

 提携の狙いについて、JALの植木義晴社長は「これまでは世界への発信力が不十分だった。トリップアドバイザーでは、日本に興味がない人にも発信できる」と狙いを語った。

 トリップアドバイザーのステファン・カウファーCEO(最高経営責任者)は、「日本に関心を寄せる外国人は、年々増えている。われわれのサイトで旅行者が航空会社を選ぶ『トラベラーズチョイス』の国別ランキングで、日本はJALが1位だった」と、JALに期待を寄せた。

 JALは今回の協業で、訪日客専用運賃「JAL Japan Explore Pass」を新サイトで紹介し、国内線の収益力強化につなげていく。

 JALの旅客販売統括本部長と国内旅客販売本部長を務める二宮秀生常務は、国内を旅行する訪日客の総需要を増やす取り組みだと説明。「国際線は利用者の4割が外国人だが、国内線の比率は2%程度。2020年までに2倍(の4%程度)にしたい」として、「増収も2桁億円を目指したい」と意気込みを語った。

 サイトへのアクセス数については、「トリップアドバイザーとは目標値を握っていないが、JALのサイトは海外からの月間UUが100万人なので、できれば10倍の人にこのサイトを訪れて欲しい」(二宮常務)と、月間UUは1000万人を目指す考えを示した。

訪日客の国内旅行を喚起する取り組みを共同で進める(右から)JALの二宮常務、植木社長、トリップアドバイザーのカウファーCEO、トリップアドバイザー日本法人の牧野友衛代表取締役=17年9月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
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トリップアドバイザー [2]

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