解説・コラム — 2017年7月2日 14:03 JST

バニラエアの車いす問題が1位 先週の注目記事17年6月25日-7月1日

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 6月25日から7月1日までによく読まれた記事をまとめました。一番読まれたものは、奄美空港で起きたバニラエア(VNL/JW)の車いす客が自力でタラップを上がった件に関する記事でした。

関空から奄美へ乗り入れるバニラエア=17年3月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 6月5日、搭乗橋(PBB)を備えた駐機場が1カ所しかない奄美空港で、タラップを使う関西行きJW874便に車いすの男性が搭乗する際、複数の付き添い人が男性客が乗ったままの車いすを担ぎ、タラップを上がろうとしたため、地上係員が制止。車いすを下りた男性はタラップの階段に座り、腕の力で上がっていきました。

 バニラに取材したところ、安全上の観点として、タラップでバランスを崩し、転倒するなどの危険があることから、車いすごと担いだり、抱きかかえたり、おんぶするなど、乗客自身を持ち上げる方法でタラップを利用することを制限しているとのことでした。

 男性客が奄美空港のカウンターで搭乗手続きをする際、複数の付き添い人がいたことから、空港の地上係員は付き添い人たちの援助があれば、タラップの階段を上がれるかを男性に確認。大丈夫だと返答を得たため搭乗手続きを続けましたが、タラップでは上述の出来事が起きました。

 第1報を報じた朝日新聞の記事を読む限り、男性側に立脚した記述が多くみられ、客観性に欠く印象を受けました。著者が複数である点や、出稿後にはデスクが原稿を確認している点をはじめ、社内で複数のチェック体制が備わっている割には、“結論ありき”の記事だと感じました。社会的な問題を報じるには、もう少し冷静かつ客観的であるべきだと思います。

 バニラの奄美大島線は成田と関空から、それぞれ1日1往復ずつ乗り入れており、関西線は、今年3月26日に就航。他社便がない時間帯に到着する成田線はPBBを使用していますが、関西線はPBBの使用時間が他社便と重複するため、PBBがない駐機場に入り、乗客はタラップで乗り降りしています。

 今回の件を受け、バニラでは4人で運べるイス形ストレッチャーを、6月14日から導入。タラップ利用に備え、イスに座ってタラップを利用できる「可搬式階段昇降機」を、7月下旬までに導入する計画だったと、当紙の取材に応じました。今回の件で、昇降機の導入を6月29日に前倒しています。

 こうした導入計画を見ると、バニラの関西-奄美大島線就航計画に詰めの甘い面があったと言えます。一方、当初からバニラ叩きの結論ありきのような、朝日新聞の報じ方にも問題があります。チェックインカウンターで確認した安全に関わる確認事項に対して、男性たちは地上係員との間で確認した合意事項を、結果的に無視しています。男性たちが正義で、バニラが悪と単純に決めつけるような紙面が、正しいとは思えません。

 第2位


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