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ロールス・ロイス、F-2後継エンジンに熱視線 積極的な情報開示も

 4年に一度、一般社団法人・日本航空宇宙工業会(SJAC)が開催する国際航空宇宙展(JA)が、10月12日から15日まで東京ビッグサイト(東京・有明)で開かれる。国内では数少ない航空宇宙関連のトレードショーで、重工各社など26カ国・地域から747社(8月31日時点)が出展する。

 一方、業界内からは隔年で開催されるフランスのパリ航空ショーや英国のファンボロー航空ショー、シンガポール航空ショーなどと比べ、JAは国が航空宇宙産業を成長産業と位置づけている割に、日本からの発信力の低さを指摘する声が聞かれる。

 では、海外メーカーはJAをどのように捉え、日本の航空宇宙産業や防衛分野に対し、どのような関心を持っているのだろうか。民間機や軍用機といった分野を問わず、日本市場でビジネスを進める側にとっては、JAは大きな商機とも言える。特に、これから本格化する航空自衛隊の戦闘機F-2の後継機プロジェクトには、海外からも強い関心が寄せられている。

 来日した英ロールス・ロイス(RR)の防衛航空部門アジア太平洋地区担当シニア・ヴァイス・プレジデントのリー・ドハーティ氏に、これらを聞いた。

—記事の概要—
JA「防衛分野で良い機会」
F-2後継機「ツールセット開示できる」

JA「防衛分野で良い機会」

ロールス・ロイス防衛航空部門アジア太平洋地区担当シニア・ヴァイス・プレジデントのドハーティ氏=16年9月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ドハーティ氏は英国空軍出身。これまでにサプライチェーン改善や、ユーロファイターの戦闘機タイフーン向けEJ200エンジンのサウジアラビアへの納入、エアバスの輸送機A400Mの初飛行などに携わってきた。現在は日本を含むアジア太平洋地区で、各国向けの防衛航空ビジネスを率いている。

 RRが各国向けに提供しているサービスの特徴を、「運用を最大限可能にする効果的かつ効率的な保守サービスを提供している。どの国でも出来るだけコストダウンしたいので、投資から最大限の効果を得られるようにしている」と説明する。

 自衛隊機用ターボプロップエンジンでは、哨戒機P-3Cと輸送機C-130、早期警戒機E-2Cが搭載するT56(旧アリソンが開発)、救難飛行艇US-2が採用したAE2100J(同)、練習機T-5とT-7が搭載するM250などがある。また、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機V-22「オスプレイ」も、RR製AE1107C(T406)を採用している。

 空自が導入する戦闘機F-35についても「リフトファンをRRが供給している」と話すドハーティ氏は、「日本ではIHIや三菱重工業、川崎重工業、富士重工業と共同作業を行っており、技術改善を図っている」と、自衛隊や日本企業との関係の深さを強調する。

 ドハーティ氏は「V-22は非常に重要なプログラム。輸出先として日本が最初に選ばれた。MRO(整備・改修・オーバーホール)とサポートのソリューション提供は川重と協力していく」と、最近の事例を挙げた。

 10月に開かれるJAには、RRも出展する。「我々には大変良い機会だと考えている。特に防衛分野では良い機会になるだろう。確かにファンボローやパリ、シンガポールの航空ショーは重要人物が集まるが、JAではより広範囲な防衛分野の方が集まる。また、JAを訪れる日本企業では海外に出張する機会がない方もいるだろう。JAは詳しい話をする機会になるのではないか」と、ドハーティ氏は強い関心を寄せた。

 ドハーティ氏によると、会場にはファンを展示するほか、映像などで技術を紹介するという。

 日本の中小企業に関しては、「我々はコスト効果と